褐色時計の世界
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19世紀中頃の製品と思われる南京時計。
イングリッシュレバー脱進機。
精度より見た目の派手さに重きをおかれたと言われる中国向けならではの地板の装飾と天輪の装飾がある。(3つの鎌型の飾り。)
また、漢字とローマ数字が混在している愉快な文字盤は書き直された物のようである。
一時期、類似の文字盤の南京時計をいくつもまとめて見たことがあるのでこういうレストアが流行った時期があったのかもしれない。
中国でも昔は日本同様に不定時制が用いられていたが、和時計のように機械を不定時対応にするということはなかったようで、実用道具というよりインテリアやアクセサリとして主眼が置かれたようである。
清朝時計のように時計のほうがおまけでは??と思われるものもあれば、精度的にあまり意味がないのでは??と思われるのに秒針がいち早く付けられたのも実用時計としてよりも自動機械としてのおもしろさが珍重されたからなのだろう。



エルネストボレル18金側ハンターケース剣引きミニッツリピーター 20世紀前半の製品と思われる。
ミニッツリピータというと国内では高級品か無銘の廉価版を眼にすることが多いが、この時計には中堅メーカ(と私は思っている)
の製品であるところに面白みを感じている。
よく言えば、高級過ぎず廉価過ぎずメーカ姿勢を模索して作ったのだろうなとかわいく思う。
悪く言えば、ケースは薄くムーブもブリッジ等の作りまでは頑張っているが、ここまでしたらもう少し石を使って欲しい。
と、いろいろ観察と妄想を愉しめる。
超有名メーカの高級品にせよ、無銘品にせよ、この時計のように中堅どころのメーカ製にせよ、その時計なりのかわいさに愛着を持てるのが一番と思う。
現在O/H中なのでダイヤルを外しており、ミニッツスネルなどの部品が見える。

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1962年 ダンヒル製 リングウォッチ(指輪時計)
手巻  9金台の両側にローズカットダイヤが付いている。
残念ながら私の太い指にははまらない。
結婚指輪の代わりに結婚腕時計を買われる方の話をたまに耳にするが、一挙両得?この際、リングウォッチはいかが?
えっ? 私は・・やだぴょーん〜(^^;



無銘。
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19世紀末から20世紀前半くらい製と思われる、アラーム懐中時計。
スイス式レバー脱進機。
また、アラーム合わせ用の針は折れてしまったので作成し直し金メッキをかけている。
中裏蓋代わりのベルをハンマーが叩いて音をならす。
裏蓋を開くとスタンドとしてたてることもできる。
入手時点ではインデックスが剥げ落ちる陶板の文字盤も欠けて剥がれており悲惨な状態であったが、パテで埋めてペーパーで磨いてならして模型用のエナメル塗料を塗ってペーパーで磨いて重ね塗りして磨いてを繰り返して修復しているところである。
文字盤が黒であったため今回の方法でなんとかなりそうだが、白の陶板では修復跡が目立ってしまい駄目だろう。



リバプールの時計師 Joseph Penlington が19世紀前半に作成した物と思われる。
鎖引きのイングリッシュレバー脱進機、文字盤が独特のギョーシェ彫りになっており、よく見つめて軽く振ると頭がくらくらする。(^^;
ダストカバーが半円型の跳ね上げ式となっているところもおもしろい。
他に DETACHED LEVER とNo.2405 という番号も彫られている。
テンプの蓋石はローズカットダイヤで天輪は9Kのようだ。



18世紀末のダブリンの時計師William Oneillの作品で321という いう数字も彫られている。
鎖引きバージ脱進機、シリンドリカルピラー、ケースは間に合わせの両面ガラスの物に変えられているが、むしろそのおかげでバランスコックの鬼の装飾がいつでも見られるようになっており非常に楽しい。
今でも日差1分前後で元気に動いている。
テンプの蓋石には大型のローズカットダイヤを使用している。



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20世紀前半のハミルトン製 金張ケース、剣引き、スクリューケース。
ボウには誤操作防止用のバーが付いている。
ムーブメントは、代表モデルの1つである992B。
完全無欠(?)のこてこてアメリカン鉄道時計である。




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Marbolo銘の銀無垢スプリットセコンド懐中時計。
剣引き、積算計なし。
20世紀前半の製品と思われる。
スプリットセコンドにはスプリットセコンド用の制御部(ムーブ写真中央の歯車をはさみ付けている部分)が、文字盤裏にあるタイプと裏側に積み重ねられているものがある、この時計は後者の為スプリットセコンドの機構がよく見える。
運針の輪列、クロノグラフ、スプリットセコンドと複雑な機構が幾重にも積み上げられて見ごたえのあるムーブメントである。



19世紀後半に作られたと思われる商館時計スタイルの銀無垢懐中時計。(商館のマークはない)鍵巻き、イングリッシュレバー脱進機、バーブリッジ。
残念ながら中のガラス蓋は失われている。
針は葡萄とトンボをあわせたような凝った形状である。

クイズ:これはなんでしょう? 1・2・3・4・5  わかりましたか?
答え:
ブランパンの腕時計ミニッツリピータのミニッツラックを切り抜いた跡の鋼材です。(^^;
左上部の14個のギザギザの部分が分をカウントして鳴らす部分となります。


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Tiffany銘のMOVADO製エルメト。
開閉式の蓋を開いたり閉じたりする際、蓋の内側のラックがリューズを回すことによりぜんまいを巻き上げる愉快な機構。
ケースは黒色のエナメル仕上げ。(ラック仕上げかもしれない)
変わり種の時計というとこのMOVADOのエルメトが有名だが、他社まで目を広げれば両わきのプッシュボタンを押すと観音開きのように開くタイプの物や、たばこ入れの要領で外ケースに放り込み上にスライドさせて時間を見るもの、ベルトのバックルに仕込んだもの、ライターに仕込まれたもの、マネークリップに仕込まれたもの、ペンに仕込まれたもの、ペーパーナイフに仕込まれたもの、カフスボタンになっているもの、ステッキに仕込まれたもの等、さまざまなものを見かける。
知人と実際にあると役に立ちそうで、まだみたことが無いものは何かないだろうかという議論で盛り上がった事がある。



1900年頃 商館時計サイド・プッシュ式。
アンクル式脱進機。
細目の書体のローマ数字インデックスの文字盤。
針は銅製で、長短針にはカットされた石が飾られている。
リューズを押して裏蓋を開けると、ガラスの入った中蓋を通してムーヴメントが見える。
バー式のムーヴメントの表面にはコート・ド・ジュネーブ(波形模様)が施されている。
ケースは800/1000のシルバー。
裏蓋に彫られた魚子模様(ななこ模様)もきれいに残っている。


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19世紀末イングリッシュ・レバー・フュジーグラスゴウの時計師の作。
作者銘が残るが判読できない。
1890年チェスターのホールマーク。
コイン・エッジの3ヒンジケース。
ローマ数字インデックスの文字盤に、ブルー・スチールのスペード・ハンド。
バランス・コックの形状に合わせた専用の真鍮製のダスト・キャップを持つ。
バランス・コックには細かな彫刻が施されている。
テンプはチラネジの無い丸テンプ。
イングリッシュ・レバー脱進機。
一部に、ネジが使われているものの大部分はそれ以前から使われてきたピン(楔)による固定方法が使われている。


19世紀 中国市場向け時計
一般に支那時計もしくは、南京時計と呼ばれる時計。
通常は、中三針で大きな秒針が特徴的であるが、これは後に、置き時計の様な振り子機能を追加して長短針をオフ・ セットに改造している。
文字盤も交換されたものであるが、 文字盤いっぱいに色鮮やかに描かれたエナメル画は大型の 秒針及び振り子の動きと相まって非常に見ごたえのある賑 やかな雰囲気を醸し出している。
裏蓋を開けると、中蓋の ガラスを通して、蝶と鳥をモチーフにした独特の彫りの多いムーヴメントが見える。
シリンダー式脱進機。
大型のテンプには鎌の様な形の重りが付いており、ムーヴメントの動きに彩りを添えている。

「文: No10〜No20 ふる / No21〜No23  HASEM 」

「撮影:HISASHI AKIMOTO」
「撮影機材:OLYMPUS CAMEDIA C820L 」


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