カフェテリア・カビノチェ
特選ディスカッション


価格談義

●crossroads氏の意見

時計とは全く違う世界に相場ってのが有ります。そういう世界には相場おやじが
いて、巨大な金を動かす商社や、ヘッジファンドあたりと渡り合ってるわけです。
将来の価格を見込んで売り買いしているので、先物などのように現物が無い取引も
有ります。

価格をこれから下げてくる要因を下げ材料、その逆を上げ材料なんて呼びますが
周くんさんのおっしゃられたコストダウン、大量生産ってのは下げ材料って訳で
す。対する上げ材料ってのが需要(時計では人気と必要性)、工場の操業停止、
生産材料の値上がりとかです。 
 
でもってロレックス・エクスプローラ1。何らかの要因で需要が急に膨らんでご存
じのとおり、暴騰が始まりました。価格もすいすい上がって定価の倍位に来ました。
不謹慎にも相場的にみるとどうでしょう。

最大の要因は実際の需要がどれだけ強いかです。かっての卵型ゲームがすでにメーカ
の不良在庫になっている事から、ブーム商品の大幅な需要の減退も予想されます。
これは下げ材料ですね。

どんな物でもそうですが、価格が高騰している時は便乗して買っていく人たち
が必ずいます(提灯を点けるともいいます)。そしてそれは個人ではなく法人や
流通経路途中の目の利いた人たちの訳で、当然買い付け量も多いのです。
この人たちは目が利きますから、下がりそうになると売りを浴びせてきます。
これも下げ材料ですね。

上げ材料が無いかというと、それは作れるのです。玉締め(意味は相場と少し
違いますが)と呼ばれるもので、扱い量の多い所が物を出さなくすることです。
ただその1社は値段が崩れ始めると膨大なロスが出るので、堅調な実需が無いと
危険度も増します。
 
一般に相場で上がっていた価格が下がり始めることを天井を打つといいます。
天井になるのは、上げ調子でとんとん来て売り買いの出来高がピークになった
時で、もう上がらないと売る人、まだまだと買う人が交錯するわけです。
その後相場はゆっくりを下がりはじめ、ある時いきなり暴落します。1回目の
下げは値上がり時の窓(価格がぽんと上がった所)を取りに行きます。
(具体的にはまず定価近辺でしょう)ここでちょっと戻すかもしれません。
が、もう需要のピークをすぎた相場は止まりません。さらにもう一段の下げが
きます。

しかし、需要が堅調であれば、玉締めによる2番天井もあります。天井のあとで
再度上がりはじめまた天井が出来ます。この場合は一度天井を打ったあとの
下げに迫力がありません。

6月、12月のボーナスでエクスプローラ1買いましたなんて人が増えてたら
もう天井かもしれません。最近物(エクス1)が全然なくなったなんていったら
玉締めで、天井確実!あとは資金がつきたところで下がり始めます。
 
さあどうでしょうか? 個人的には機械の出来、SS中三針自動巻き日付けなしの
機能から定価の3分の1位が底(妥当)と思いますけど。

●GP7000氏の意見

実は、孤高なるROLEXのエピローグとして、価格の高騰とパチものの横行という
テーマで(酔った勢いで)書いていたんですが、シラフに戻って削除しました...。
やはり、メディアに誘導された金銭的価値も、人気ゆえのパチもん登場も、随伴
した現象にすぎないのであり、時計本質の問題とは関係ない。したがって、この
「時計」の掲示板にはふさわしくないかな......と躊躇しました。

しかし、そもそも、このテーマを書き込む動機のひとつに、そういったROLEXを
囲む社会背景ってこともあったので、最後のわだかまりを解くためにも書きます。

高騰については、みなさんのおっしゃる通りです。いくら、純粋な目でROLEXを
見ることできるようになったとはいえ、ブームになったモデルの値札を見ると、頭の中が
キムタクじゃなかった煙たくなっちゃいます。あと、ダブルネームにときめかない私は、
得体の知れないDNの値段も首をかしげます。結論として、自分の価値観に叶ったもの
しか買うことはできません。でも、それが、欲しいものであれば、異常な高騰にただただ
腹立てるしかありません。

ところで、パチものは、どんなブランドでもありますが、ROLEXのそれは、普及と
呼べるほどはびこってますね。これは、ROLEXのステイタスや値段の高騰に反映された
社会現象であることは言うまでもありません。

先日の週間文春で、ダンカン氏が、うれしそうにバレンチノのパチもん(ベルト)を
紹介していました。ステイタスをもので示そうとしている人を笑ってやりたいって、
それはそれでわかります。私は寛容です(笑)。雑誌に掲載できるほど、偽ブランドも
スタンスが得られているんでしょう。
だから、ステイタスだけを求めるんであれば、パチもんでも十分だと思います。

当然、時計好きはパチもんに嫌悪感を示しますね。
私が気に入っている、ある時計愛好家のHPに、偽物つけてる方は、あなたも
偽物にみられますよ、と書いてありました。同感です。私はそんな方となら、
時計の話ができます。

私は、あらゆる時計師の仕事を尊敬します。
その金銭価値はピンキリです。超複雑時計の数千万てのはぶったまげます。
でもまだ、納得はできます。
ただ誘導される値段には誘導されたくない。ROLEXのみならず、真の価値を
見極められるようになりたいと思います。

●上森氏の意見

需要と供給、相場、メーカー希望小売価格の是非、オープンプライスなどと
いったテーマは、消費者側ではなく販売側、つまりプロの最も興味のある話題です。
多くのプロは、「ブランドの歴史云々、ムーブメント云々」などといったことに
あまり突っ込んだ質問をしても答えられない事も多いですが、このマーケティング分野
に関しては、はっきりとアマチュアと区別される情報と考え方をもっています。
時計マニアは、時計本体についての知識を求めますが、プロはマーケット情報を求めます。
ここが抜本的に違うところだと思います。

たとえば、ある催し会場で時計の販売会があったとしましょう。
時計マニアは、主に「何が出品されていて珍しかった」ということを話題にします。
一方、プロは、
「あのブランドは土曜日曜でいくら売れたか?」「何人くらい会場に入っていたか?」
「催事告知はどのように行ったか?」「会場全体には何社出品していたか?」
「企画の目玉は何か?」「ディスプレーの効果は?」「プレス関係の反応は?」
などといったことを観察します。

crossroadsさんのお書き込みは、こういった、いわば販売側の視点に着目した
ものであり、時計愛好家の視野を広げる意味で、大変面白いものだと思います。
 
>でもってロレックス・エクスプローラ1。何らかの要因で需要が急に膨らんでご存
>じのとおり、暴騰が始まりました。価格もすいすい上がって定価の倍位に来ました。
>不謹慎にも相場的にみるとどうでしょう。

わたしは、個人的にEX1の上げ材料は出尽くしたと見ています。
ただ、やはりEXに限らずスポーツ系モデルの需要は依然として高く、店頭に並べれば
放っておいても売れていきます。(もちろん値引きなしで)
商材としての魅力はまだまだ尽きないところでしょう。
10年ほど前は、ロレックスといえばコンビ一辺倒でした。
特に、レディースのコンビは飛ぶように売れていましたが、今はレディースはステンレス
の3列バンドに人気が集中していますね。

>最大の要因は実際の需要がどれだけ強いかです。かっての卵型ゲームがすでにメーカ
>の不良在庫になっている事から、ブーム商品の大幅な需要の減退も予想されます。
>これは下げ材料ですね。

そうですね。
ところがロレックスもそうですが、バブル景気で非常に需要が高まった時のパテックなど
を見てみても痛感するところですが、ポリシーのあるメーカーはなかなか増産しません。
こういうところが「さすが長年続いてきた企業だけある」と感心するところです。
高級時計メーカーが大量生産品メーカーと違うところですね。
彼らはブランドイメージということを第一に考えていますので、目先の利益に走るよりも
イメージダウンすることの方を避けると思います。

>上げ材料が無いかというと、それは作れるのです。玉締め(意味は相場と少し
>違いますが)と呼ばれるもので、扱い量の多い所が物を出さなくすることです。
>ただその1社は値段が崩れ始めると膨大なロスが出るので、堅調な実需が無いと
>危険度も増します。

ロレックスが強いのは、この堅調な需要を確実につかんでいることでしょうね。

相場的値付けで販売しているところならプレミア商品は大きな利益を生み出します。
しかし、正規品取扱店はうれしくないでしょうね。
正規品を取り扱っているところは一店舗あたりの商品割り当て量がほぼ決まっています。
(もともとあまり増産しないメーカーですから)
需要が高まったところで供給を増やすことはできません。
また、定価以上にプレミアをつけることもできません。
正規品取扱店がオーダー受けたところで商品がない以上、利益はでないですからね。
 
>6月、12月のボーナスでエクスプローラ1買いましたなんて人が増えてたら
>もう天井かもしれません。最近物(エクス1)が全然なくなったなんていったら
>玉締めで、天井確実!あとは資金がつきたところで下がり始めます。

そう願いたいところですね。
いずれにしても今の値段は、当たり前のことを言うようですが高すぎますね。
旧EX1の未使用品が100万なんて聞くと、
「ものには限度ってものがあるでしょう」などと言ってしまいたくなります。

ただ、それもまた面白いことではないでしょうか。
需要と供給のアンバランスが生み出す悲劇(喜劇?)として私たちに多くの
ことを教えてくれると思いませんか?

「価値とは何か? 価値とは評価である」
という言葉をしみじみと思い出してしまいます。
そして、評価とは「人の意思」に属するものであり、「人の意思」は現在、宣伝広告
によって大きな影響を受けています。
EX1の価格高騰はテレビ・雑誌が影響を与えて大幅に価値を付加した訳ですから、
文字どおり現在の市場は宣伝広告に左右されてますね。
シンボル操作の市場とはこのことですね。

ただ、わたしはこの状態はいつまでも続かないと信じます。
消費者はいつまでも広告に躍らされることはないと感じているからです。
広告の仕掛け人も、「次はこのモデルが流行る!」などと言い続けていると、そのうち
消費者からそっぽを向かれることになるのではないでしょうか?
(個人的希望的観測)

●周くんの意見

経済からの時計の価格の高騰の話、とても参考になりました。
玉締めという聞き慣れない言葉に関して、製品の流通と価格の一端が理解できました。
ここの会議室では、ヘッジファンドまでで出てくるのかとうれしくなりました。
つい、三日程前、ロングターム・キャピタル・マネージメントというヘッジファンドが
破綻したと聞きましたが、ここにはノーベル賞受賞者のマイロン・ショールズとか
ロバート・マートンとか最先端の金融理論を持った頭脳があるわけです。
でもやはり相場には勝てない。たくさんの人の欲望の集合体である相場を飼い慣らすのは
誰にも無理なのかもしれませんね、エクスプローラーの価格の高騰は、
私もオーパーシュートした振り子の一番端に来ているように思えます。

時計の所有という事に関して、私はこんなことを言うのは恥ずかしいのですが、
私の場合、換金性という部分もある程度の位置を締めております。
時計に惹かれるのは、その外観のデザインなどのアートとしての側面、
ムーブなどの精密機械工作としての側面、そして保険としての換金性を考えてしまいます。
時計転がしのようで恥ずかしいのですが・・・・

つい最近の、巷で批判の多い時計の雑誌の中に、金無垢時計のタイタニックとか動乱の
現場での価値について、書いてあったのを読みました、内容はひどいのですが、
このことだけは、ある面でたぶん正しいと思いました。
私は、祖母に戦時中の話をよく聞かされて育ちましたが、着物をたくさん、お米や芋と
交換したとか、指輪を卵と交換したとか聞かされました。
また、預金封鎖にあって定期預金の証書が紙切れ同然になったとか・・・
こんな話を聞かされて育ったためこんな価値観になってしまいました。
でも本質はお金はただの紙切れ、金属に過ぎないのですよね、ただ信用が与えられて
偶像となっているだけで・・・私は時計の方が好きだな・・(冗談です)
まあ、これが時計を買うのを自分に納得させる欺瞞のひとつになっているのですが(笑)

上森さんが、パテックとかのポリシーのあるメーカーは流行にあっても簡単に
増産はしないとありましたが、大事なことですよね。
メーカーにとってなによりも大事なのは、信用であるということを完全に守っているの
ですよね。目先の利益を追わないと書いていましたが、将来を見ている先が
他のメーカーよりずうっと先なのだと思います。
日本は、昔から老舗といういい伝統があって、こういう点はとてもよかったのですが・・
今では、そういうことは職人さんとか呼ばれて貴重になっていってしまってますね。

●上森氏の意見

To 周くん:

>時計の所有という事に関して、私はこんなことを言うのは恥ずかしいのですが、
>私の場合、換金性という部分もある程度の位置を締めております。

そうですね。
時計の換金性というのは、どうしても考えてしまいますね。
でも、そう思わせてしまうほど、概して高級機械時計は換金性が高いですよね。
一般の電気製品などと比べると特にそう思います。
高額時計を購入して、
「これ、お金が必要になったら売れるかしらね」とはよく言われる冗談のひとつですね。

>時計に惹かれるのは、その外観のデザインなどのアートとしての側面、
>ムーブなどの精密機械工作としての側面、そして保険としての換金性を考えてしまいます。
>時計転がしのようで恥ずかしいのですが・・・・

世の中でどういうプロダクツが換金性が高いのだろう?
と考えてみると面白いです。
わたしとしては、以下の条件を挙げたいと思います。

1、数が少ない
2、多くの人が欲しいと願う
3、たくさんの人の手間がかかっている
4、品質が変化しない(変化しても修復できる)

この条件の中でも特に1と2は重要です。
また、1と2は、製造段階ではなく流通段階でコントロールできるのも特徴です。
ロレックスのEX1の価格高騰は、1〜4までの条件のすべてをクリアしていますね。
デイトナしかり、パテックのトロピカルしかりです。
こう考えるとまた、宝石が高価なのもうなずけます。
宝石はすべての条件を大幅にクリアしてますね。

さて、この条件の中でも2は異質であり、もっとも重要だと思います。
1と3と4は、企業努力あるいは企業の意思で実現可能ですが、2は運によって
左右されることが多分にあり、実現が非常に難しいのです。
あるいは才能よって左右されるともいえるような気がするのですが・・・。

したがって、EX1に代表されるプレミア商品の値段を下げるのはある意味で
簡単です。
みんなが欲しいと思わなければいいのです。
(うーん、難しい)

>でも本質はお金はただの紙切れ、金属に過ぎないのですよね、ただ信用が与えられて
>偶像となっているだけで・・・私は時計の方が好きだな・・(冗談です)
>まあ、これが時計を買うのを自分に納得させる欺瞞のひとつになっているのですが(笑)

わたしなども、時計を買う時によく、
「これ買っておけば価値が出てくるから・・・・」などと言って、周囲の人と自分自身に
言い訳をしていたのを思い出します。(笑)

>ポリシーのあるメーカーは流行にあっても簡単に増産はしないとありましたが、
>大事なことですよね。

おっしゃる通りだと思います。
ヴィジョンがはっきりしてますね。

金(きん)を多用するメーカーなどは、何トン単位で金を購入し、金庫に保管しておく
そうです。
そうすることによって、金の価格変動による材料費の変動を防ごうというわけです。

メーカーは出荷量なども含めて、やはりよく考えていますよね。
「瞬間的な流行は追いかけるべきではない」
という姿勢なのでしょう。

楽しいお書き込みありがとうございました。

To GP7000さん:

>高騰については、みなさんのおっしゃる通りです。いくら、純粋な目でROLEXを
>見ることできるようになったとはいえ・・・・・
>・・・・・それが、欲しいものであれば、異常な高騰にただただ
>腹立てるしかありません。

たくさんの人が欲しがるから価格が高騰するのですよね。
かといって、多くの人に
「欲しがらないでくれ」と言うわけにもいきません。
わたしなども、
「もしデイトナがどこの店に行っても置いてあって、安売りなどを
していたとしたら、果たして欲しいと思っただろうか?」
と感じます。

一番いいのは、「多くの人がまだ欲しがらない優れものを見つけ出す」
ということかもしれませんね。

>当然、時計好きはパチもんに嫌悪感を示しますね。

贋物が普遍の価値をもつということはありえないですからそう思うのかも
しれませんね。
本物しか認めないという感覚は、それほど時計に思い入れがあるからこそ
だと思います。

あまり思い入れを感じないようなものだと、性能さえクリアしていれば
どのメーカーが作ったものでも気にはならないですからね。

>ROLEXのみならず、真の価値を見極められるようになりたいと思います。

同感です。
いろいろと情報交換しながら真贋を見分けられる眼を養いたいものですね。

●周くんの意見

価格についてですが、私は時計の価格は一般に高すぎると思っておりました。
こんな高い時計を誰が買うのだろう。すこしおかしいのかもなどと不遜なことを
考えていたのですが、その内自分がそうなるだろうとは思いもしませんでした(笑)

たとえば、よく寿司屋などで、松竹梅とかありますよね。結納とかでもありますが、
松竹梅商法と私は呼んでおります。時計にあてはめると、松に相当する
テュールビョンとかで人を驚かす。もう驚いた後は、その値段に対する感性が
少し麻痺することになります。次は、ミニッツリピーターです・・・・
この後、汎用品:生産ラインが完備している時計を見ると・・・
おおっ安いじゃないかとなってしまうことになります。
メーカーサイドはこのラインの時計を売りたいわけで、決してテュールビョンとかを
売りたいわけではありません。

>「もしデイトナがどこの店に行っても置いてあって、安売りなどを
>していたとしたら、果たして欲しいと思っただろうか?」

これ実際、私もどうなるかわかりません。デイトナに対する予備知識がなく
デパートで¥98000で売っていたら・・・・・
こういう点で、上森さんやGP7000さんが書いていたように、その物の
風潮にとらわれず真贋を見分けれる目がもてるようになれると素晴らしいですね。
もし、そういう目があれば、すかさず買ちゃうでしょうね。
でも、デパートの売り場で2つの品物の値札を交換しておいておくと高いものの方が
売れるということをよく聞きますが、これはほんとうかなとも思います。
その場合は、初めの値付けが間違っていることも考えられるではないですか?

あと、よく女性は、みんながいいと言っている男性を好きになる傾向があると
いわれますが、これをエクスプローラーに当てはめると、世の中が女性化して
いっているのかもしれませんね。また、フロムが言っていた、選択の自由から
逃避しているのかもしれません。やはり行く先は同質化社会なのでしょうか?
そんなことなら、私は孤島にでも家族を連れて移り住みたいですね・・・

●上森氏の意見

周くん、

>やはり行く先は同質化社会なのでしょうか?

情報網が発達しているのを見ていると、
「これからは画一的な社会になっていくのだろうか」と思ったことがありました。
でも、テレビ報道や雑誌などのメディアに対して、その「報道の姿勢」を問われるように
なってきたのは、興味深いことだと思います。
メディアによって昔のように大流行を生み出すことはどんどん難しくなってきているよう
に思います。
ましてやその流行を長続きさせることはもっと難しいのではないでしょうか。

よく、「最近の10代の若者は目標をもっていない。何をやりたいのかすらわからない」
と嘆かれることがありますが、私などは30を過ぎても人生の真の目標が見つからず、
おろおろしております。
でも、いろいろな人と話をしていると、結構そのように考えている人は多く、
「もしかしたら社会も人も、先が見えない時代なのかもしれないな」などと思うことも
あります。

で、同質化社会になるかどうかという問題ですが、
通貨や言語や伝達手段などは同質化しつつも、こうやってさまざまな環境の人とお話しを
したりして、より一層「個を見つめ直す」社会になるような気がします。