カフェテリア・カビノチェ
特選ディスカッション


孤高なるROLEX

●GP7000氏の意見

時計に関するHPや、日頃の会話の中で、強く感じたことです。
ROLEXは、特別な存在です。
バーゼルで、ブースは唯一撮影禁止........神秘のベール、などといったこと以前に、
なにより、強烈なネームバリューがある。そして多くの熱烈なユーザーがおられる。

指揮者に例えれば、ジュリーニやバーンスタインやアバードを知らない人でも、
カラヤンは知っているように、ブランパンやショパールやTAKANO(!)を知らない
人でもROLEXは知っている。いわんや時計に興味無い人をや。

以前、ある掲示板に、これみよがしにROLEXつけてるって感じはイヤと書き込んだ
だけで、モーレツに抗議誹謗中傷の意見やメールが返ってきたことがあります。

そのときに、ある方から、「ロレックスの時計はいい時計です。パテック、ブレゲ、
バセロンが懐中時計で有名であったころ、今と変わらぬ腕時計の思想を持って、
腕時計の基礎を作ったのがロレックスです。それをみて他のメーカーがどんどん腕時計
に参入しました。」という、まぁシンプルでストロングなsusって感じのお返事いただ
きまして、ROLEXを気にとめるようになりました。同時に、ROLEXについて意見するのは
タブーなのか、という危惧も感じました。実際に、ROLEXのことで論議になると、ギスギス
してしまうこともしばしばでした。

ROLEXについて意見する人には、2つのパターンがあります。1.時計のことを知るにつけ、
意見したい。2.ROLEXを愛するが故に、そうでない人には持って欲しくない。
2については、またとある方が、「ROLEXはすばらしいから、知らずに着けている人でも
きっと、その良さがわかるようになるもんですよ」って、これまたジェントルな意見を述べて
まして、まぁ、時計好きに悪い人いない(と思っている)んだから、こうこなくっちゃぁと
うれしく思ったものです。
私がROLEXに抱いていたイメージは、みんなが巨人を応援するからアンチ巨人になった、
みたいな屈折したものがあったんでしょう。私は巨人ファンですが...。

カラヤンにしても、私がクラシックきくようになったきっかけですが、なんだかんだ
言われてもすばらしい。他に好きな指揮者がどんどんできても、すばらしい。
ベートーベンの交響曲は、カラヤンのためにある、とまで思うし、ジルベスタコンサート
でのチャイコ1番(ピアノ:エフゲーニ キーシン)は、私の中での名演奏ベストです。
カラヤンについて、あーだこーだいう人も、当然クラシックは好きですね。なんか似てます。

この掲示板をご覧になっている方は、きっと理性的な時計好きでしょう。
そこで、孤高なるROLEXに対して抱いている思い入れや、思い出や出会い、
別れ話など(そんなのないか)、とてもとても聞いてみたく存じます。

●プラチナ氏の意見

お久しぶりです。
最近は皆さんの充実した投稿を読むのが日課となっております。

ROLEXについての話題、時計好きの方ならではの苦悩が垣間
見られて面白かったです。

思えば、私の欲しい時計はロレックスのムーンフェイズでした。
(まだ言ってるんですねぇ。)
私が眺めている雑誌に載っているものは、金無垢のようです。
これがプラチナケースだったらさらに美しいでしょうね・・・。
ずいぶん前に話題になったムーンフェイズですが、このモデルは
顔も描いてあります。
完璧です。

残念ながら、私はGP7000さんのおっしゃるような
理性的な時計好きではないんです。
なぜロレックスが好きなのか。
王冠のマークが好きなんです。

中学生の時から使っている英語の辞書がクラウンです。
王冠のマークです。
ダリの絵もすきなんです。
彼はミルククラウンに固執したといいます。

好きな作家の山田詠美がロレックスのデイトジャストを
つけているんです。

それだけです。

(SUGIZOのサブマリーナもいいですけどね。)

ロレックスが好き、と言うとこのブームの中ではミーハーな人に思わ
れてしまうかもしれません。でもGP7000さんの言うとおり、
理性的に考えればROLEXほどバランスのいい時計は滅多にないの
ではないかと思います。

私には手の届かない存在ですが、中井 貴一さんの貯金の話を
読んで、私もロレックス貯金を始めました。
何を予約したのかは内緒です。

GP7000さんはすでに愛用しているROLEXがあるのでしょうか。
面白い話をこれからも楽しみにしています。

●上森氏の意見

ロレックス、面白そうなテーマですね。参加させてください。
わたくし、ロレックスは、手巻のプレジション、デイトジャスト、サブマリーナー、デイトナを
持っています。
わたしもみなさんと同様、ロレックスについてはいろいろと思い入れがあります。
ロレックスは雑誌などでも、いつも大きく取り上げられていますね。
これだけいろいろな人が熱心に議論しているのを知ったら、
ロレックス社も本望でしょうね。

>ROLEXについて意見する人には、2つのパターンがあります。
>1.時計のことを知るにつけ、意見したい。
>2.ROLEXを愛するが故に、そうでない人には持って欲しくない。

ムーブメントの性能やケースの仕様など、ロレックスは大変優れていると思います。
キャリバーも年々改良され続けており、そのクォリティーの水準はスイスでも
指折りのメーカーなのではないでしょうか。
特筆すべきはその防水ケースで、何十年使用したものでも、裏ブタを開けると
ムーブメントは新品同様に光っていることもしばしばあります。

ロレックスはまた、大変修理のやりやすい時計です。
ケースがしっかりしているので、ムーブメントの錆など、内部にダメージが与えられている
ことが少なく、狂いもほとんどありません。
ムーブメントはすべてのパーツが「きっちり」していて、組んでいるとある種の快感すら
感じるほどです。
ただ、酷使されているものが多いので、ブレスに錆が出ていたり、ケースのアシの部分の内部に
ゴミが溜まっていて、バネ棒と一緒に錆付いていることがあり、これには泣かされます。
5列のジュビリーブレスなどは仕上げるのが難しく、ヘアラインをつけている時に鏡面に
仕上げた部分にサンドペーパーなどが触ってしまい、また最初からやり直しすることも
しばしばあります。
そういうわけで、ロレックスはムーブメントよりも外装の仕上げに時間がかかることがある
ように思います。

それはさておき、
時計としてだけを見ると、ロレックスは優秀で文字どおり「良い時計」であり、
わたしはこのことを疑いません。
それよりも、この時計についてさまざまなことが言われるのは、その「ステイタス性」が
原因なのではないかとわたしは思います。

「ステイタス性」
あるモノを所有しているということで、あたかもその所有者が社会的地位を持っている
ように思わせる力のことですね。
たとえば、車に興味のない人でも、お金持ちになればロールスロイスに乗りたくなるかも
しれないし、イタリア製の高価な洋服だって着たくなるかもしれません。
お金を持っていない人でも、そういう高級品を身につけることによって、自分も社会的に
認められているという幻影を楽しみたくなるかもしれません。
こういう、社会における自分の位置づけ、他者から見た自分という意識に根づいた感覚が
ステイタス性だと思います。
ロレックスに代表される多くの高額商品メーカーは、マーケティングによってこの点を大きく
取り上げます。
時計の広告の中でも特にロレックスのものは、世界的に、かつ商業的に成功している良い例
だと思うのですが、
その広告を見ると、アーティストや社会的成功者がいつも使われています。
「キリテカナワ」や「ドミンゴ」を起用していることからもうかがわれます。
このことから、ロレックス社はその製品が、ステイタス性を帯びることを望んでいるとも
推測できますが、いずれにしても、
その広告のやり方は商業的に成功しており、ロレックスはステイタスの代名詞的扱いを
受けるようになっています。

ただ、人にはいろいろなタイプの人がいて、そういう「ステイタス性に憧れる」という好みを
よしとしない人もいます。
あるいは、ただ名前だけに引き付けられるような人間ではないと、自認する人もいます。
この辺が好みの別れるところなのではないでしょうか?

わたしはこのページで、前にSBさんともお話ししましたが、個人的にあまり時計に
ステイタス性を求めたいとは思いません。
したがって、ロレックスを買う時、ステイタス性を求めてはいません。
でも、つけていると、他人から「ステイタス商品をつけて喜んでいる」
と見られているような気がしないでもありません。
ロレックス嫌いになる人は、そこにある種の嫌悪感を感じていらっしゃるのでは
ないでしょうか?

以上、ロレックスに対する思いをお話させていただきました。
みなさんはいかがですか?

●SB氏の意見

>時計としてだけを見ると、ロレックスは優秀で文字どおり「良い時計」
>であり、わたしはこのことを疑いません。

さっそくですが、上森さんのこの一文だけで、ロレックスの機械的な
良さは納得の行くところだと思います。

>それよりも、この時計についてさまざまなことが言われるのは、その
>「ステイタス性」が原因なのではないかとわたしは思います。

そうです、私もロレックスがこんなに話題に登るのは、ここに大きな
要因があるのだと考えています。

>ロレックスに代表される多くの高額商品メーカーは、マーケティング
>によってこの点を大きく取り上げます。
>時計の広告の中でも特にロレックスのものは、世界的に、かつ商業
>的に成功している良い例だと思うのですが、その広告を見ると、ア
>ーティストや社会的成功者がいつも使われています。
>このことから、ロレックス社はその製品が、ステイタス性を帯びるこ
>とを望んでいるとも推測できますが、いずれにしても、その広告のや
>り方は商業的に成功しており、ロレックスはステイタスの代名詞的
>扱いを受けるようになっています。

冗長になるのを恐れるあまり、舌足らずの極論になってしまったら、
どうぞお許しください。

人間は、その人の社会的地位の象徴をその人の使用する道具に求め
るものだと思います。住むところ、車、服、そして時計にも。
本来、道具は人々が遠い過去から延々と作り続けているもので、その
道具の発明により、我々が今享受している文明が成り立ったのだと
も言えます。
今現在、全世界に大きな影響を及ぼしている「ヨーロッパ文明・文化
」はそのステイタスの明確な区別により、使用する道具も区別されて
いるものなのですが、その文明・文化がそのまま全世界に定着され
るものではないため、それぞれの固有の文化に収斂されたバリエー
ションが生まれています。

我が国はヨーロッパ文化を受け入れ、従来からの固有の文化とミッ
クスされた独自の文化を生み出していると言えます。
ステイタスについても、我が国独自のものになっています。
悲しいことにお金で買えないものは、ほとんど無くなってしまっている
現在、ステイタスも我が国では買えるのです。
時計で言えばロレックスが、その象徴となっているのでしょうか?
我が国では、誰でも知っていて、或る程度のお金があれば手に入り、
それでいて、高位のイメージがあるものにステイタス性を感じるのか
も知れません。手の届きそうなスノビズムとでも言いましょうか。
例えば、パテックはもともと顧客対象はいわゆる貴族だったそうです
から、ステイタスは非常に高いのですが、我が国ではそういう認められ
方はしていません。なぜなら、「誰でも皆知っている訳ではなく、或る
程度以上のお金がないと買えないから」ではないでしょうか?

>ただ、人にはいろいろなタイプの人がいて、そういう「ステイタス性に
>憧れる」という好みをよしとしない人もいます。

ステイタス性に憧れるという好みの人については、いろいろ言えると
思いますが、そうですね「粋」じゃないとは言えますね。

>あるいは、ただ名前だけに引き付けられるような人間ではないと、
>自認する人もいます。

純粋に名前の響きに惹かれるのだ!なんて人はいませんかね。
ロレックス!いい名前だとおもいます。

>わたしはこのページで、前にSBさんともお話ししましたが、個人的
>にあまり時計にステイタス性を求めたいとは思いません。

そうですね。私は時計もそうですが、道具はその人の生活スタイル
にあったもので、その人にあった使い方をするものだと思っています。

>したがって、ロレックスを買う時、ステイタス性を求めてはいません。
>でも、つけていると、他人から「ステイタス商品をつけて喜んでいる」
>と見られているような気がしないでもありません。
>ロレックス嫌いになる人は、そこにある種の嫌悪感を感じていらっし
>ゃるのではないでしょうか?

そこなんですよね。できたら私は「この時計は性能が良くて、頑丈で、
形が好きだからつけています」という断り書きを腕につけていたいと
思っています。それもいまいちなので、周りに聞こえるか聞こえないか
の声で、ぼそぼそと弁明したい(笑)。やはり周りとは違うのだと言い
たいのでしょう。周りといえば、その人のスタイルというか雰囲気にぴ
ったりマッチしていれば、何も問題はなさそうです。
かくいう私にもスノビズムは全く無いとはいえないところが、弱いので
すよ。車だったら、エンブレムを取ってもベンツだと分かり、かえって
屈折した「粋」が表現できますが、時計はブランド名を取ってしまうと
なぜか淋しくなってきますからね(笑)。

ロレックスは、そのマーケティングのうまさにより、人々のスノビズムを
くすぐって高級ブランドというステイタス(立場)にになっているのだと
思います。商売的にははうまいのでしょうが、それがロレックス社によ
って作られた時計個体の表わしているものとは乖離しているような気
がします。

極論かつ舌足らずで、誤解を招くような表現がありましたら、お詫びし
ます。

●上森氏の意見

プラチナさん、

>なぜロレックスが好きなのか。
>王冠のマークが好きなんです。

意表を突かれるようなお答えですね。
なるほど。
確かに王冠のマークは独特ですね。

王冠のマークといえば、
リューズに付いている王冠のマークの向きを気にする方がいらっしゃいますが、
あれは、チューブのネジ溝の関係上、向きが変わることがあります。
概して王冠の向きはちゃんと上を向いていますが、オーバーホールでチューブ交換
をしたりすると向きが変わることがあります。
王冠の向きは防水性にも関係ありませんのでお気になさらないようにしてください。
ご参考まで。

>中学生の時から使っている英語の辞書がクラウンです。
>王冠のマークです。
>ダリの絵もすきなんです。
>彼はミルククラウンに固執したといいます。

プラチナさんは王冠というシンボルがお好きなのですね。

辞書といえば、わたしも英語の辞書が好きで(変な趣味ですね)
10冊以上持っています。
一番気に入っているのは研究社のリーダーズ英和辞典の革装のものです。
書き込みなどをしながら、いつか赤鉛筆で真っ赤になることを願いながら使っています。

岩波新書から「辞書を語る」という本が出ていて、そこにいろいろな知識人が辞書への
思いについて書いています。
特に「無口なパートナー」と題したエッセイは面白いですよ。

ちょっと引用してみます。

そこへいくと広辞苑の使用頻度はずばぬけてい、父が贈ってくれたそれは二十数年の
歳月を閲して、すでにぼろぼろである。
表、裏とも表紙は取れ、辛くもセロテープで止っている状態だし、中身もところどころ解体
しかかって、やはりセロテープで補強してある。
(中略)
これほどまでに寄り添って、共に生きると、無機質な書物とは思えなくなる。
もはやこの広辞苑は、私の伴侶にひとしい。
人間は裏切る。時には離反もするが、辞書は裏切らず、嘘もつかない。
(中略)
死後、骨は海に撒いてほしい。葬式も墓も無用。・・・・・・・
・・・・・小さな石の下に、苦しい作業を助けてくれたこの、物言わぬパートナーを一冊、
埋めてくれればよいと、私は家人に遺言してある。

>好きな作家の山田詠美がロレックスのデイトジャストを
>つけているんです。

山田詠美の作品は読んだことがありませんでした。
時計が好きな作家なのでしょうかね。

>(SUGIZOのサブマリーナもいいですけどね。)

ルナシーのギタリストのSUGIZOのことですね。
わたしもSUGIZOの音楽は大好きです。
ちょっとJAPANというバンドに似ていると思いませんか?
SUGIZOはいつもサブマリーナーをつけていますね。

>理性的に考えればROLEXほどバランスのいい時計は滅多にないの
>ではないかと思います。

同感です。

>私には手の届かない存在ですが、中井 貴一さんの貯金の話を
>読んで、私もロレックス貯金を始めました。
>何を予約したのかは内緒です。

何を予約したのでしょう?
気になります。

●プラチナ氏の意見

アンティークロレックスの革というと、トカゲのイメージが個人的にあるのですが
あれはオリジナルなんでしょうか。
グッチの時計なんかも最近まではトカゲばかりでしたし。
欧米では人気があるのかしら、と思ったんですけど考え過ぎでしょうか。
国産の時計は圧倒的にクロコ、次にカーフ、シャーク、オーストリッチやトカゲは
その次くらいですよね。
ミネルバの時計にオーストリッチがついてるのは少し意外でした。

>プラチナさんは王冠というシンボルがお好きなのですね。

多分そうです。
抽象的なものを具体化するというのは非常に神経のいる作業ですよね。
そしてそのシンボルに忠誠を誓うというか誠実にいるということに
興味があります。 卒論のテーマのひとつでしたから。
ちなみに星も好きです。

>岩波新書から「辞書を語る」という本が出ていて、そこにいろいろな知識人が辞書への
>思いについて書いています。
>特に「無口なパートナー」と題したエッセイは面白いですよ。
>ちょっと引用してみます。
>そこへいくと広辞苑の使用頻度はずばぬけてい、父が贈ってくれたそれは二十数年の
>歳月を閲して、すでにぼろぼろである。
>表、裏とも表紙は取れ、辛くもセロテープで止っている状態だし、中身もところどころ解体
>しかかって、やはりセロテープで補強してある。
>(中略)
>これほどまでに寄り添って、共に生きると、無機質な書物とは思えなくなる。
>もはやこの広辞苑は、私の伴侶にひとしい。
>人間は裏切る。時には離反もするが、辞書は裏切らず、嘘もつかない。
>(中略)
>死後、骨は海に撒いてほしい。葬式も墓も無用。・・・・・・・
>・・・・・小さな石の下に、苦しい作業を助けてくれたこの、物言わぬパートナーを一冊、
>埋めてくれればよいと、私は家人に遺言してある。

とてもいい話ですね。
聖書のようなものですね。
その広辞苑も量産物ですから、たいして貴重なものではないのでしょう?
しかも何年かに一度改訂されますから、新しいもののほうが時代性・社会性にそうはずですし。
なんだか安物時計を使い込む、の話題に近いですね。

>山田詠美の作品は読んだことがありませんでした。
>時計が好きな作家なのでしょうかね。

時計はその一つを愛用しているようですね。
彼女は物に固執するタイプではない、という印象を一読者として受けています。

>>(SUGIZOのサブマリーナもいいですけどね。)

>ルナシーのギタリストのSUGIZOのことですね。
>わたしもSUGIZOの音楽は大好きです。
>ちょっとJAPANというバンドに似ていると思いませんか?
>SUGIZOはいつもサブマリーナーをつけていますね。

ルナシーという名前も神秘的ですね。
ルナ(月)とシー(海)ですからね、ムーンフェイズの話題で盛り上がっていた時に
ふと思い出してしまいました。
JAPANのD・シルヴィアンはどんな時計をしていたのでしょう、薄型の時計とか、
あるいはデザインの変わったものとか・・・。

だんだん、時計と違う話になってしまいました。
これからも引き続き楽しみにしてます。
それでは。

●周くんの意見

GP7000さんが、ロレックスとカラヤンを対比させておりましたが、
まさに暗喩とでも申しましょうか、とても精神的な面で似ていると思われます。
車で良くたとえられるのが、ベンツですよね。
このカラヤンとベンツには、ある共通点があります。この共通した雰囲気が
かもしだす世界に、私はノーと言いたくなるのですが、そういう強力な力に対する
反発する感情は、結構多くの方が持っているのかもしれません。
先ほどの共通点ですが、どこにあるかと言えば、ナチスドイツにあります。
カラヤンはナチスの党員で、幹部だったわけですが、10年ほど前のインタビューで
こう語っております。
「ナチスの党員であったことを何も悲しいとは思わない。同じ状況に置かれれば
 今でも私は同じ行動を取るであろう。したいことをするためには、人殺しでもするのだ」
同じく、ワーゲンと並んでベンツはヒットラーの好んだ車だったのですが、
この車にも、同じような精神が宿っております。
「他の車の乗員は死に絶えようと、私の車の乗員は生き残る」
私は、カラヤンの演奏を好きになれません。完璧な録音で、完璧なテンポ、
これが、そういうカラヤンにまつわる知識から来ているのかどうかはわからないのですが
やはり、その内面性というのは外部に伝わってくるのだと思います。
私は、その対局をワルターの指揮に見てしまいます。

孤高なるROLEXという表現はいいですね。
私は、ROLEXにはカラヤンではなく、党員でありながら、最後にはナチスと戦った
フルトベングラーのような孤高にこれからなっていって欲しいです。
そうしたら、なんの躊躇もなく買ってしまいます。
実は、あの素晴らしいオイスターケースがとても好きなのです。

●上森氏の意見

周くん。

>GP7000さんが、ロレックスとカラヤンを対比させておりましたが、
>まさに暗喩とでも申しましょうか、とても精神的な面で似ていると思われます。
>車で良くたとえられるのが、ベンツですよね。

そうですね。
まさしくベンツだと思います。
耐久性をうたっていたり、デザインに特徴があるところなど、よく似ていますね。

>先ほどの共通点ですが、どこにあるかと言えば、ナチスドイツにあります。

なるほど。
またまた意表を突かれる思いです。
でも、そうおっしゃるお気持ち、理解できます。

>カラヤンはナチスの党員で、幹部だったわけですが、10年ほど前のインタビューで
>こう語っております。
>「ナチスの党員であったことを何も悲しいとは思わない。同じ状況に置かれれば
>今でも私は同じ行動を取るであろう。したいことをするためには、人殺しでもするのだ」

ナチスは当初、ビアホールに集まっていた数名の政治好きが結成し、独特な綱領を
打ち立てて急成長し、やがては世界地図を塗り替えるほどの大規模な活動を行い、
そして淘汰され消えました。
20世紀初頭の大いなる現象ですね。
その根幹には「一人の総統、一つの国民」というスローガンがあり、中央集権的な思想
がありました。

戦後、資本主義社会が世界中に広がり現在に至っていますが、経済成長を支えた企業の
多くはこの「中央集権的」手法を用い、組織を結成し、その活動を拡大してきました。
しかし、この組織のあり方は、現在、大きく問いただされていると思います。
今、サラリーマン生活を送っている人々の多くが、本気で「会社を辞めたい」と
思っているのは、その現れではなかろうかとさえ、わたしは思います。

>同じく、ワーゲンと並んでベンツはヒットラーの好んだ車だったのですが、
>この車にも、同じような精神が宿っております。
>「他の車の乗員は死に絶えようと、私の車の乗員は生き残る」

周くんはこのエゴイズムを指摘してらっしゃるのですね。
つまり、高級ブランドがもっている独特なエリート意識、そのエリート意識に魅惑される人々、
こういった雰囲気そのものに相容れないものを感じられるのですね。

>私は、カラヤンの演奏を好きになれません。完璧な録音で、完璧なテンポ、
>これが、そういうカラヤンにまつわる知識から来ているのかどうかはわからないのですが
>やはり、その内面性というのは外部に伝わってくるのだと思います。
>私は、その対局をワルターの指揮に見てしまいます。

素晴らしい表現ですね。
わたしも、権威主義的なものに対する反発を感じるものです。
ただ、ロレックスにまつわる虚飾を取り払うと好きになれるように、カラヤンにまつわる
権威的伝説を取り払うと、わたしは好きになれます。

>孤高なるROLEXという表現はいいですね。
>私は、ROLEXにはカラヤンではなく、党員でありながら、最後にはナチスと戦った
>フルトベングラーのような孤高にこれからなっていって欲しいです。
>そうしたら、なんの躊躇もなく買ってしまいます。
>実は、あの素晴らしいオイスターケースがとても好きなのです。

大変素晴らしいご意見だと思いました。
ありがとうございます。これからもどしどしお書き込みください。

●周くんの意見

>高級ブランドがもっている独特なエリート意識、そのエリート意識に魅惑される人々、
>こういった雰囲気そのものに相容れないものを感じられるのですね。

こういう風にまとめて頂くと、自分の中で、あやふやだった考えを文章に具体化して
頂いたようでうれしいです。人間の感情は不思議なもので、いやと思われることに
心の奥底では、惹かれている場合もあります。私の場合もその独特なエリート意識、
そして富を背景とした高級時計の所有ということに惹かれながらも、それに反発する
矛盾した2面を抱えております。

>わたしも、権威主義的なものに対する反発を感じるものです。
>ただ、ロレックスにまつわる虚飾を取り払うと好きになれるように、
>カラヤンにまつわる権威的伝説を取り払うと、わたしは好きになれます。

いい文章ですね。その通りだと思います。初めからの偏見を抜いた子供のような
視点で物事を感じないとだめなのですよね。
これはなにか仏教と相通じるところがあるように思えます。
大乗仏教の教典に般若心経というお経があります。
その中の思想に「空」という考えがありますね。深い所は私にはわからないのですが、
こだわらないこと、虚心のない目で物事を見ること、そういうことだと思います。
あまり突き詰めると、時計の所有ということも「空」ということになって
時計好きの私にはたいへんな事になってしましますが・・(笑い)

●上森氏の意見

周くん、

>人間の感情は不思議なもので、いやと思われることに
>心の奥底では、惹かれている場合もあります。
>私の場合もその独特なエリート意識、
>そして富を背景とした高級時計の所有ということに惹かれながらも、
>それに反発する矛盾した2面を抱えております。

そのようにご自身を語られることに周くんの強さを感じます。
また、共感します。

「虫酸が走る」という表現がありますが、こう思ってしまう原因のひとつとして、
実は自分の中にある、認めたくない性格、これを他者がもっていたときに感じることが
あるそうです。

周くんのおっしゃるとおり、惹かれながらも反発するというのはそういうことなのでしょうね。

ところで、
「好き」の正反対は「嫌い」ではないように思います。
対象物を強く意識するという点において、「好き」も「嫌い」も実は兄弟だったりするような
気がしませんか?
わたしは、
「好き」の正反対は「無関心」だと思うのです。

そう考えてみると、もはや問題の定義と解決策ができるように思います。
つまり、「ロレックスのエリート意識」を無視すればよいのです。

>初めからの偏見を抜いた子供のような視点で物事を感じないとだめなのですよね。
>・・・・・その中の思想に「空」という考えがありますね。

「空の空、空の空、いっさいは空である」
という言葉がありますね。
非常に深い意味があると思います。

わたしなどは、この「いっさいは空」という見方にかなり傾倒しており、
友人と飲んだりすると、趣味(音楽その他)の話→時計の話→人生の話→社会の幻影の話
と進んでいき、最終的には「いっさいは空しい」ということになり、結論として
「だから幸せにならないといけないね」ということになったりします。

>あまり突き詰めると、時計の所有ということも「空」ということになって
>時計好きの私にはたいへんな事になってしましますが・・(笑い)

まさにその通りですね。
所有自体「空」だと思いますからね。
でも、不思議ですよね。
なぜ時計が好きなのでしょうね。

時計という物質的、あるいはステイタスに代表される幻影的なものを含む、
確固としたものを所有することにより、
自分の存在感の希薄さに彩りを加えようとしているのでしょうか?
あるいは、安心感を得ようとしているのでしょうか?

いずれにしてもロレックスはそういった「病める心」に、てきめんに効く
効能をもっているようですね。

●crossroads氏の意見

上森さんの言われる好きと嫌いは同族って本当ですね。どちらかと
言うと私など無関心って所でしょうか、あまり気にならないです。
しかし、周くんさんの言われる点も解るような、違うかもしれませんが
今のロレックスに硬直っていうか、緊張っていうかなにか固い物も
感じています。

その昔まだロレックスが饒舌だったころたくさんの楽しい時計
ができましたね。 バブルバック!
わたしはバブルバックが大好きです。ケースもクッションに
はじまり、大きなバブル、ちいさなバブル、フラットに近いもの
ハンドもペンシル、メルセデスからシャープなものまでたくさん。
文字盤も、ベゼルも楽しいものがいっぱいです。

残念ながら余りに高価になってしまって手がでませんが、まだ
楽しい頃のロレックスではないでしょうか。それに比べると今の
時計(モデル)には軍用時計のような固さと画一性があります。
個人的にはロレックスがかっての楽しい時計達のようにいろいろな
時計を出してくれることを期待してるんですが。

般若心経ですか?いきなり来ましたね。この掲示板ならではの話題です。
般若というのが英訳するとwisdomで、心経自体が彼岸に至るための
知恵(wisdom)に付いて書かれている事を知ったときは、ぶっ飛び
ました。昔の人は凄い!。

●周くんの意見

>残念ながら余りに高価になってしまって手がでませんが、まだ
>楽しい頃のロレックスではないでしょうか。それに比べると今の
>時計(モデル)には軍用時計のような固さと画一性があります。

私も、たいへん同感です。これは、自動車メ−カ−と対比させて考えると、
分かりやすいです。現在、自動車メ−カ−は車体のプラットホ−ムを各社とも
共通化させようと、鎬を削っております。もちろん、コスト削減して生き残りのため
ですが、これをロレックス社は、ずっと以前から成し遂げてかつ、顧客に受け入れられて
いるのですから、すごいものだと私は思います。
しかし、表面だけを代えただけなのですから、crossroadsさんのおっしゃられるように
昔の、いろんなパラエティに富んだ、暖かみのあるロレックスの方が、趣味人にとって
好きになるのかもしれませんね。
 
>般若心経ですか?いきなり来ましたね。この掲示板ならではの話題です。
>般若というのが英訳するとwisdomで、心経自体が彼岸に至るための
>知恵(wisdom)に付いて書かれている事を知ったときは、

勉強になります。なるほど、温故知新と申しますか、知恵というのは、過去に照らして
現在および未来を考察することかもしれませんね。wisdomは、まるきりの英語かと
思ってましたが、東洋の知恵が詰まっている言葉なのですね。

●GP7000氏の意見

みなさん、どうもです。
まるで、種をまいた庭に帰ってきたら、一面に花、花、花が咲きみだれてたという
感じで、学会(群馬)から戻ってみれば、話題が奥深く伸展していたのに驚きました。

あとで気付いたのですが、この話題のプロローグともいうべき会話が、過去に上森
さんとSBさんとの間で交されていたんですね。

全てのお返事を読み返して、こうして理性的なことばで考えてみれば、
何だか、わだかまりが解けてきたような気がします。

プラチナさん、王冠、いいですね(笑)。笑ったら失礼ですが、よくわかります。
私はコンバースの星が好きです。
周くん(さん)は、まさしく、私に、空の心境でROLEXを見せてくださった方です。
すっかり、常連ですね......(笑)。ここは、居心地いいですよ。
crossroadsさん、私は一時期、ミルガウスなどにハマったこともあるのですが、
(店員に値段は狂気の世界だと言われ、正気をとり戻しました。)今、とても魅かれて
いるのはバブルバックなんです。アンティークの極を成していると思います。
でも、こちらも、気軽に手は出せない値段ですね。

仏教の話まで伸展しているようですが.....私は、寛容ということが、いかに難しいか、
と感じました。みなさんは、とても寛容です。私の心の狭さというか、セコさを痛感
した次第です。どうも、ありがとうございました。

かつて、職場の時計好きと、どんな時計を持ちたいか、と話しているときに、
でも、不思議とROLEXはひとつおさえておかないと安心しないんだよね、ということ
になりました。そのとき共感した不思議な感情は、実は、愛憎にも似たジレンマだった
ような気がします。

たかが時計のことで、とおっしゃる方もいるかもしれませんが、
私は、特にここのページを見るようになって、あらためて思うのです。
生きることに真摯な方は、時計に限らず、何にでもこだわる.....と(笑)。

ヘッセが、こう言っています。
書物は、あなたに何も与えはしない。
しかし、あなたが、生きて、苦しみ、感じていくと、
ひっそりと暗い場所に置かれていた、あらゆる書物が輝き始める、と。
 
書物に限らず、あらゆるものは、生きていくにつれ、いろんなことを学んでいくに
つれ、価値を発揮していくものなんでしょう。

また、世阿弥の花伝書には、こうあります。
.....花の美しさというものは無い。美しい花がある。

ROLEXのすばらしさを論ずることは、果たして結論は出ないのかもしれません。
私は、すばらしいROLEXを使ってみます。そう決めたっと.....。

●上森氏の意見

みなさん、こんばんは!
GP7000さん、周くん、crossroadsさん、プラチナさん、
時計の詩人SBさん、HASEMさん、Masaさん、そして書き込んで
くださっているすべてのみなさん、こんばんは!

真摯なご意見をいただきまして、とてもうれしく思っております。

To プラチナさん:
プラチナさんもJAPANがお好きなのですか?
わたしはデヴィッド・シルビアンのお経のようなメロディーラインを熱愛しています。
そういう訳で、モーツァルト、田端義夫、JAPAN、という信じられないような
組み合わせで毎日音楽生活を送っております。
ぜひまたお書き込みくださいね。

To crossroadsさん:
バブルバックいいですね。
昔のロレックスって、今と違ってかなり柔軟な時計作りをしていたのではないでしょうか。
遊び心あふれる製品がたくさんありますね。
時計販売員の女の子が「ロレックスのミッキーマウス時計が欲しい」と言っていた
ことがありまして、わたしはその話を聞いた時、
「いくら昔のロレックスでもそんなものは作ってないでしょう」と言いました。
ところが、彼女が後日、ミッキーマウスが文字盤に描かれているアンティークロレックス
が載っている記事を見せてくれてびっくりしました。
それが純正品かどうかはわかりませんが、いずれにしても、アンティークロレックスには
尽きない面白さがあると思います。
crossroadsさん、これからもよろしくお願いします。

To 周くん:
周くんが書かれるような深いお話し、
大好きです。
これからも大いに精神論を語り合えることを楽しみにいたしております。
販売業界にいる人などは、よく、「精神論を言うな」などと言っていたりします。
そのかわり、「数字、数字」とよく言います。
しかし、わたしが思いますに、高級時計は多分に精神的要素を含んだ商品であり、
日常生活雑貨とはわけが違います。
高級時計が作り出している印象まで含めて考えを進めていくと、必ず人の
所有欲、名誉欲、エリート意識などの「業」ともいえる精神状態に思いを致すはずです。
それについて考察した上で更に時計趣味を続けていくと、その趣味に奥行きと幅が出てくる
ように思います。
こういったことの繰り返しが、やがて独自の時計文化を生みだしていくのではないかとさえ
考えております。
ムーブメントそのものに対する興味と同様、こういった「時計の精神論」も歓迎いたします。
これからもどうぞよろしくお願いします。

To SBさん:
久しぶりにお話しできて楽しかったです。
前回は「ブランドイメージ」といったことについて大いにお話ししましたね。
わたしは今でも、スノビズムには反発する気持ちを持ってしまいますが、でも
SBさんのおっしゃる通り、過去の文化は多くの場合スノビズムの象徴ともえる奢侈品
によって作られていますね。
したがって、文化的遺産という見地に立てば、スノビズムは決して非難できるものではないの
かもしれませんね。
今、世界的なお金持ち大国になっている日本には多くの奢侈品が集まっていますので、
もしかしたら時代とともに、それが文化的遺産になっていくような気もします。
SBさん、これからもお書き込みを楽しみにしております。

To GP7000さん:
世阿弥の花伝書もお好きなのですか。
趣味の共通性を痛感しております。
「秘すれば花」
今のようにグラスバックの時計がなかった頃、
わたしはパテックにこの「秘すれば花」を感じておりました。
やらなくても実用上問題無いのに歯車の両面を鏡面に仕上げているところ、
受のエッジの部分を丸くして磨き上げているところ、
ローターに手彫りの凝った装飾を施しているところ、
分解しないと見えない地板の表面に見事な模様を浮き彫りにしているところ・・・、
それら手の込んだ作業を裏ブタで隠してしまい、地味なシンプルなケースで
包み込んでいるところなどはまさに、世阿弥の教える「秘すれば花」の精神に
通じるところがあるように思います。
GP7000さん、これからも芸術的観点から時計を大いに分析してください。

●周くんの意見

>プラチナさんもJAPANがお好きなのですか?
>わたしはデヴィッド・シルビアンのお経のようなメロディーラインを熱愛しています。
>そういう訳で、モーツァルト、田端義夫、JAPAN、という信じられないような
>組み合わせで毎日音楽生活を送っております。

お二人とも、とても自由な精神の持ち主とお見うけいたしました。
上森さんが、権威とかそれを取りまくいろんなものを無視すればいいのです。と
おっしゃられてましたが、この音楽に対する傾向からもよく分かりました。
ジャンルとかブランド、既成の概念は関係ないのですよね。
とても自由な精神で、これは見習わなければならないことだと思ってしまいました。

GP7000さん、ヘッセの詩を引用されていましたね。
私もヘッセが大好きです。中学の頃から好きで今もって感銘を受けるヘッセという
作家は、たぶん心の底からの、やさしき弱き人々への愛情を持っているのでしょう。
彼のすばらしさは、決して借り物ではないいろんな考えを、借り物ではないゆえに
わかりやすく私たちの心の中に飛び込んで来るところにありますよね。
彼の水彩画はとても素敵ですよ。絵は人を現すと言われますが、まさにそれです。
もし、あの水彩画を一枚でも所有できたら、私は生涯の宝物とするでしょう。

素晴らしい時計の所有と同じように、いろんな琴線に触れる品物を持つということは
決して物欲では、ないと思います。それを、作られた方、考えられた方を思い
自分を豊かにすることではないでしょうか。そしてまた、幸福にということですね。

●上森氏の意見

>私もヘッセが大好きです。中学の頃から好きで今もって感銘を受けるヘッセという
>作家は、たぶん心の底からの、やさしき弱き人々への愛情を持っているのでしょう。

この感覚が「強き権威主義に対する反発」となるのでしょうね。
わたしなども、集団生活で弱き者へおごり高ぶる人々を見ると憤りを感じます。

でも、「怒り」という感情が生まれること自体、いけないことなのかもしれません。

>素晴らしい時計の所有と同じように、いろんな琴線に触れる品物を持つということは
>決して物欲では、ないと思います。

芸術作品を鑑賞することに近い感覚ですね。
文学や美術を愛する人は、ものを作品として鑑賞しますよね。

>・・・・そしてまた、幸福にということですね。

それにつきますね。

●GP7000氏の意見

やっぱり花伝書をご存じでしたか。
花の美しさは、正確には小林秀雄による花伝書の解釈です。(当麻)
それに対して、坂口安吾が、もっとわかりやすい言い方をしろとつっぱねている
教祖の文学という小論はおもしろいです。
私は文系から医学部に行った変わり種です。本の話は大好きです。

風姿花伝に、ときどきの花ということばが出てきますね。
花には、そのときどきの美しさがある。つぼみのとき、咲いたとき、そして散ったとき。
これは、世阿弥の芸術論であり、人生論でもあるのですが、
あらゆる事象に該当します。もちろん、ときどきの時計にも。

あと、JAPANも話題に出てきましたが、X-JAPANではなくJAPANですね(笑)。
中学のとき、孤独の安らぎ、という曲にぶっとびました。
自分にとっては、JAPANはパンクロックだったのですが、その後のアルバムで、
サウンドに大きな変化があってびっくりしたのを覚えてます。
ドラムのスタイルも、電子音が入ってたりして.......。クィーンの次に、変貌ぶりに
たまげたバンドです。