カフェテリア・カビノチェ
特選ディスカッション


時計あれこれ


●上森氏の意見

コルトベルト(スイス)というメーカーは比較的、低価格なモデルを作っています。
このメーカーはナースウォッチなども作っています。
よく、通販カタログにナースウォッチって売っていますよね。
小型の懐中時計みたいなデザインで、安全ピンで胸につけるタイプの時計ですね。
文字盤には赤十字が書かれていることもあります。

ところで、ナースウォッチといえば、ティソも作っていますね。1万円台だったと思います。
ナースウォッチは大体安い値段で売られているにもかかわらず、あまりつけている人は
いません。
でも、つけるととても印象的ですね。

>「裏スケ」にしても考えてみると「スケ」って何だろう?
>透けて見えるの「すけ」?See-throUgh-bacKではスケにならないし、・・・

裏スケルトンの略のようですね。

>グラスバックの方がいいですね。

あるいは、サファイヤバックという言い方もありますね。

>ちなみに普通の裏蓋式はメタルバックすか?

メタルバックという言葉は、わたしは聞いたことがありません。
でも、区別するためには便利な表現かもしれませんね。

>技術的には防水とかひずみとかの問題があるのですか? 
>使う側からするとクロノグラフなどは特に面白いです。

裏ブタには、
パッキンをつけた枠にサファイヤガラスを圧入するタイプが主流ですね。
他には、ノリ付け(接着剤によって取り付ける)方式があります。
両方とも文字盤側のガラスの取り付けと同じ方式ですよね。

グラスバック(サファイヤバック)の防水とかひずみの問題ですが、
もちろん、各社が「問題無い」と判断して製品化しているのでしょうから、
カタログの防水性の表示どおりと受け止めてよいと、わたしは思います。

裏からクロノグラフの機構が見えると本当に面白いですね。
わたしは最近クロノグラフやストップウォッチにとてもひかれます。

>上森さんはどうです?

私はやっぱりミニッツリピーターの動きが好きです。
ハンマーの動いている様子が、見ていて飽きません。
特にクォーター(15分打ち)の時のハンマーの微妙な動きが面白いです。

一方、SEIKOなどのムーブも輸入時計のムーブとまったく違うので面白く感じます。
受の形状や、仕上げ方などが独特ですよね。

SEIKOの独特さといえば、話は大きく変わりますが、

SEIKOから音声によって時間を伝える盲人用の腕時計が新発売されたようです。
¥15000という良心的な価格です。心温まる話ですね。
アラームやストップウォッチ機能付きで、なかなか賢い時計のようです。
取り扱い説明書は点字で、この説明書はかなりの量みたいですね。
SEIKOには、今までは、文字盤を触って針の位置で時間を読み取れる時計がありましたが、
今回のモデルは画期的です。
この新製品などもそうですが、点字に翻訳する仕事や、介護の仕事など、人のためになる
仕事をみると、心打たれます。
そして、自分の生活を振り返ってみて反省などしてしまう今日このごろです。

●Zanzibar氏の意見

みなさん、こんばんは。
「裏スケ」という言葉、私も好きではありません。カタログ製作や、雑誌の原稿を
チェックする際いつもそう思います。裏ブタが透けているから「裏スケルトン」という
のかもしれませんが、本来の意味で言うと、上森さんが言われるように
「グラスバック」あるいは、「サファイア・バック」のほうが正しいと思います。

さて、この話題の中で、「IWCポルトギーゼ・クロノ・ラトラパント」の話が出て
いたので、この限定生産モデルが誕生した秘話をご紹介しましょう。

もともと、「ポルトギーゼ」という時計の誕生は、1930年代、時計の主流が
懐中時計から腕時計に変わっていこうとしていた時代にさかのぼります。
当時IWCの営業マンはイベリア半島の国々に懐中時計を販売していたのですが、
そのころ、ポルトガル人時計商であったロドリゲスとテイシェイラがスイス
IWC本社にIWC社製の懐中時計のムーブメントを持ち込み、「このムーブを
使って大型の腕時計を作ってほしい」という依頼に答えて、当時最高のムーブメントと
称された「キャリバー98」を搭載し製作されたのが、「オリジナル・ポルトギーゼ」
つまり「ポルトガル・ウォッチ」です。この時計を1993年の創業125周年を機に
限定復刻したものが「ポルトギーゼ」であり、ちょうどその年は、日本−ポルトガル
修好450年記念すべき年だったのです。これを、さらに発展させたものがこの後に
続く「クロノ・ラトラパント」であり「ミニッツ・リピーター」なのです。

前置きはここまでにして、「クロノ・ラトラパント」のシースルーバックが、生まれた
経緯は、当時弊社に在籍していた若い技術者が「クロノ・ラトラパント」を見て、
「もし、これのシースルーバックができたら絶対買いですよね、こんな大きな
ケースで、スプリット・セコンドの複雑な機械の動きが見れたら楽しいじゃない
ですか」というアドバイスの元、これまで限定品ということに対してあまり興味を
示さなかったIWC社が、特に日本のためにデザインしてくれ、商品化してくれたのが
このモデルです。

この時計の楽しさは、何はさておき「手巻」であるということです。「手巻」という
ことは、余計なローターは付きませんから、スプリットセコンド機能の複雑な動きを、
このーバーサイズのケースを通して眺めれられるわけです。

「シースルー」という言葉から多少逸脱しましたが、「シースルー」にできるという
ことは、たとえベースキャリバーが何であろうと、自分のところではここまで美しく
仕上げることができるんだという自信の現われだと思います。

●上森氏の意見

Zanzibarさん、

>「裏スケ」という言葉、私も好きではありません。・・・・・
>「グラスバック」あるいは、「サファイア・バック」のほうが正しいと思います。

メーカーが公表するスペック表にもよく、glass back 、sapphire glass back と
書かれていますね。

>さて、この話題の中で、「IWCポルトギーゼ・クロノ・ラトラパント」の話が出て
>いたので、この限定生産モデルが誕生した秘話をご紹介しましょう。

IWCの豪華版カタログを見ながらお話をお聞きしています。

しかし、いつも思うのですが、IWCのカタログは内容が濃いですね。
製造コストだけで考えてみても、これだけの装丁でカラー写真豊富ですから、
1000円以上(あるいはもっと?)はかかるでしょうね。
歴史的キャリバーの写真や開発秘話など、興味がつきません。
このカタログ、うーん、みなさんにもお見せしたい!

>・・・・・・・この時計を1993年の創業125周年を機に
>限定復刻したものが「ポルトギーゼ」であり、ちょうどその年は、日本−ポルトガル
>修好450年記念すべき年だったのです。これを、さらに発展させたものがこの後に
>続く「クロノ・ラトラパント」であり「ミニッツ・リピーター」なのです。

ポルトギーゼRef.5441にはキャリバー9828が入っていますね。
これは、チラネジテンプ、ブレゲヒゲ(巻き上げヒゲ)、5振動、S字型の緩急装置という
一品ですね。
過去のキャリバーとの大きな相違点として耐震装置(インカブロック)が組み込まれている
とお見受けします。
美しいムーブメントだと思います。

>前置きはここまでにして、「クロノ・ラトラパント」のシースルーバックが、生まれた
>経緯は、当時弊社に在籍していた若い技術者が「クロノ・ラトラパント」を見て、
>「もし、これのシースルーバックができたら絶対買いですよね、こんな大きな
>ケースで、スプリット・セコンドの複雑な機械の動きが見れたら楽しいじゃない
>ですか」というアドバイスの元、これまで限定品ということに対してあまり興味を
>示さなかったIWC社が、特に日本のためにデザインしてくれ、商品化してくれたのが
>このモデルです。

なるほど、
そういう経緯で作られた製品なのですか。
IWCもかなり柔軟な製品作りをしているのですね。
IWCは昔を彷彿させる大型キャリバーのモデルがたくさんあるので見所は尽きません。

crossroadsさんが店頭でご覧になったのはこれ(キャリバー76240?)
ですよね。

>この時計の楽しさは、何はさておき「手巻」であるということです。「手巻」という
>ことは、余計なローターは付きませんから、スプリットセコンド機能の複雑な動きを、
>このオーバーサイズのケースを通して眺めれられるわけです。

確かに、ムーブを見るには手巻きがいいですね。
機械が大きいので、輪列の穴石に注油されている油の減り具合も見えることでしょう。
オーバーホール時期をいつでも確かめられる便利さもありますね。

>「シースルー」という言葉から多少逸脱しましたが、「シースルー」にできるという
>ことは、たとえベースキャリバーが何であろうと、自分のところではここまで美しく
>仕上げることができるんだという自信の現われだと思います。

ムーブメントは、地板の模様やテンプの形状、緩急針の形など、見ていて飽きないものです。

●crossroads氏の意見

>IWCの豪華版カタログを見ながらお話をお聞きしています。
>しかし、いつも思うのですが、IWCのカタログは内容が濃いですね。

 ・・はどうすれば入手できるのでしょう?

>このカタログ、うーん、みなさんにもお見せしたい!

 うーん見たい!。

>crossroadsさんが店頭でご覧になったのはこれ(キャリバー76240?)
>ですよね。

 はいそうだと思います。

>この時計の楽しさは、何はさておき「手巻」であるということです。「手巻」という
>ことは、余計なローターは付きませんから、スプリットセコンド機能の複雑な動きを、
>このオーバーサイズのケースを通して眺めれられるわけです。

 そうですね、まさにこれにつきます!

 もしお金が有れば、時間は解りませんが、裏返しに付けて見たい?
 ・・レベルソのグラスバックって、ありましたっけ?
 
 上森さんエドワード?ホイヤー御購入ですか。後は中秋の名月を待つのみですね。
 文字盤の感じが独特で、お団子の白さに似てませんか。

●上森氏の意見

>>・・・・ IWCのカタログは内容が濃いですね。
> ・・はどうすれば入手できるのでしょう?

Zanzibarさんに、メールを出してお願いするというのは
どうでしょう?

>>このカタログ、うーん、みなさんにもお見せしたい!
>うーん見たい!。

輸入品の高級カタログって、入手が難しいですよね。
カタログは輸入元がメーカーから買ってるんですよね。
で、これが高いのです。
そのために大量に確保できない場合が多いのです。
いいカタログは人気があるので在庫不足になりがちです。
輸入元によっては、カタログを販売しているところもありますね。

カタログをデパートなどにもらいに行っても入手できないことが
多いのはこのためです。
一番いいのは、輸入元に直接お願いすることではなかろうかと
思います。
もし、カタログを販売している輸入元なら、購入を希望するのです。

>上森さんエドワード?ホイヤー御購入ですか。後は中秋の名月を待つのみですね。
>文字盤の感じが独特で、お団子の白さに似てませんか。

ここで、一句。

「このホイヤー 団子のような 色してる」

●Zanzibar氏の意見

さて、IWCの豪華版オリジナル・カタログについてですが、スイス本国は、この
カタログを使用するようにと言うのですが、なにせ、170ページ以上のボリュームが
あるため、無料で郵送するわけにもいきませんので、特別な催しがあった場合に特別に
配布するとか、売場の方に資料として渡すぐらいしかできないのが実情です。

しかしながら、上森さんの言われるように、このカタログは、商品に関する詳細な
データはもちろん、IWCという会社の成り立ち、歴史的名品の解説にいたるまで、
IWCの魅力が満載された総合カタログです。(ただし最新版は、英語版です。)
そこで、IWC国内HPをご覧の方を対象にしたアンケートにお答えをいただいた
方の内、何名様かにこのカタログをプレゼントするという企画も楽しいかも
しれませんね。

さて、創業125周年にあたる1993年に限定復刻された「ポルトギーゼ」の
キャリバー9828ですが、これは次のような進化をたどり生まれたものです。
懐中時計の基本キャリバーとして開発された、ハンタータイプ(蓋付き)の
キャリバー98を、1930年代腕時計用として改良したのが、キャリバー982で
あり(オリジナル・ポルトギーゼ誕生の逸話については、私の過去の書き込みをご覧
ください)、このムーブメントに、創業125年をお祝いする特別装飾を加えた
ものが、キャリバー9828なのです。