●名前 オロロヂ ●登録日時 02/10(土)12:55 パスワード これからの時計業界って・・・ --------------------------------------------------------------------------------  最近気になるのが、時計会社の統合のニュースです。とくに目立つのが総合的なブラ ンド企業による買収・・・。個人的な感想ですが高級時計は家内工業、手工業的な メルヘンを、この大量生産時代においてわれわれに感じさせてくれるというところに価値 があると思うのです。それはひょっとしたらただの幻想で、経営などを考えるととても 無理かもしれない。P社やV社でさえも最近は製品数を伸ばそうと無理なカジュ アル化(やはりデザインは全体としてどんどん悪くなっているように思います)、より 汎用的なムーヴメントの使用などといった傾向があるように思います。かつてはブランド によって住み分けがなされており、それに応じていい意味でのクラス分けがあったと思う のですが、最近は「売れ筋」のタイプにそれぞれのブランドがどっと走ってしまい、その 結果方向を見失うのではないかと危惧しています。現在のL社のように没個性になり値崩 れをおこしているところもあります、かつては大変優秀なムーヴをつくり個性的なブラン ドだったのに。  これからより大手に統合されていくことでそれぞれの持ち味が殺され、消費者からそ っぽを向かれてしまうこともありうるように思えます。たとえ今は「統合してもわが社 は変わらない」といったところで長い目でみればどうなるかわからないと思います。  ぜひともみなさんの考えをお聞かせください。よろしくお願いします。 ●名前 Lansing ●登録日時 02/10(土)17:34 パスワード re(1):これからの時計業界って・・・ -------------------------------------------------------------------------------- ロマンを追いたくなるのですが、陶器のような物ならば いざしらず...。 ご存知のように、自動車、カメラなどにも、大きな流れが有ります。 時計業界は、ひとつのカテゴリーなのに、マーケティング、 ブランド・バリュー(値段を維持するパワー)の持続など、特に 面白いですね。 売上の拡大とブランド・イメージの拡散のバランス。 メーカーも内部で真剣に、議論されているのでしょう。 デザインは、初期のモデルに美しさを感じる物が多い気が します。 霊感が枯渇してゆくのかな。 ●名前 オロロヂ ●登録日時 02/13(火)22:55 パスワード re(2):これからの時計業界って・・・ --------------------------------------------------------------------------------  確かにバランス難しいですね・・・。  そういえば最新のウォッチ・ア・ゴーゴーのなかのコラムにこんな一節がありました。「・・・ブランドを即攻的に利益を生み出すマシンとして扱うのならば話は違ってくる。  ブランドショッピングが、投機的なマネーゲームであるならば、最終的には「ブランド  の使い捨て」「ブランド破壊」にしかならないだろう。ブランドのグループ化では、  資本はあくまでも黒子でなければ意味はない。資金を出すのは誰でもいい。職人がいい  仕事をできる環境さえ整っていればいいのである。」 まさにそう思います。私たちがブランドの個性を愛するように、大手資本もブランドを愛 していただきたいと思う今日この頃です。 ●名前 上森 ●登録日時 02/15(木)12:33 パスワード re(3):これからの時計業界って・・・ -------------------------------------------------------------------------------- みなさん、こんにちは。 オロロヂ さん、Lansing さん、こんにちは。 いつもお世話になっています。 ご考察、興味深く拝見させていただきました。 > 最近気になるのが、時計会社の統合のニュースです。 > とくに目立つのが総合的なブランド企業による買収・・・。 おっしゃる通りですね。 いつどこのブランドが買収されるか まったくわからない状況といえると思います。 実際、こういう買収劇は突然公表されたりしますので、 お店やユーザーにとってはまさに青天の霹靂で、 どう受け止めたらいいのか戸惑うことも、ままあるのではないでしょうか。 > 個人的な感想ですが高級時計は家内工業、手工業的なメルヘンを、 > この大量生産時代においてわれわれに感じさせてくれるというところに > 価値があると思うのです。 > それはひょっとしたらただの幻想で、 > 経営などを考えるととても無理かもしれない。 おっしゃる通りですね。 難しい問題だと思います。 われわれ時計愛好家からしてみれば、 やっぱり、辛口の時計作りというか、 ひたむきで実直なニュアンスを、 いつまでも漂わせてもらいたいものではないでしょうか。 でも、時代の移り変わりとともに、 親しみやすいポップな印象に変貌してゆく。 これもまた、 時計に限らず多くのブランドにみられる現象だと思います。 ところで、 最近の広告をみていますと、 たとえば、 あたたかい家庭的なイメージが取り上げられ、 おもむろに商品が紹介されるなど、 時計そのもののよさを語るというよりも、 イメージというか、ライフスタイルというか、 そういったものがまず提唱されて、 そのシンボルとして時計が出てくるような、 そんな手法が目立つようになってきたように個人的には思います。 たしかに、 こういう見せ方というのは、 一般的な広告にはよく見受けられることではありますが、 こと機械時計に関しては今までは少なかったような気がします。 今まではどちらかというと、 作るのにどれだけ手間がかかったか、とか、 デザインの由来はどういう考え方によるのか、とか・・・、 そういう、 モノ自体に視点をおいて見せることが多かったように思います。 でも、 手作り品としてのよさ、少量生産品としてのよさが 機械時計に求められて購入されていると考えると、 ライフスタイルなどを提唱する、いかにもメジャーなイメージ広告は しっくりこないような気がしないでもありません。 さらに、あえて言わせていただくなら、 大々的に、 「こんなライフスタイルはカッコイイでしょ、  この商品をもてば、あなたもそうなれますよ」的な 言われ方をしても、 80〜90年代、あるいはもっと前の時代ならいざしらず、 これだけコミュニケーション手段が発達してきて、 消費者の主体性がますます高まりつつある今、 ほんとうに皆が付和雷同して、その商品に飛びつくかといえば、 これは疑問であるとも感じます。 同時に、 提示されたライフスタイルに何でも飛びつくほど 現代人は盲目的ではないと信じたい気持ちです。 とはいえ、 かくいうわたしも、 そうは思いながら無意識のうちに、ちょっといい雰囲気の商品を手にして、 幻想を抱いていることもよくあると自覚します。 でも、そうやって続けてきた購入行動を振り返ってみると、 当たり前のことながら、 ”幻想はやはり、幻想に過ぎない”と感じ、 モノによって自分は変わらない、やっぱり、自分自身が変わらなければ・・・。 としみじみ思います。 > 最近は「売れ筋」のタイプにそれぞれのブランドがどっと走ってしまい、 > その結果方向を見失うのではないかと危惧しています。 数年前からみられる”限定品”ラッシュもそのひとつかもしれませんね。 また、あるデザイン(や機能)が当たったとすれば、 すぐにそれに類似した品物が他社から出されるということも よく見られますね。 利益を最優先に考えると、 そういうパターンになるのも無理からぬことだと思います。 でも、 「他社はどうか知らないが、うちはうちのやり方でやる」という、 真の意味での頑固オヤジみたいな性格のブランド (こういう方針は取り残されて経営難に陥りがちだとも思いますが) も残り続けてほしいです。 雑感を書かせていただきました。 失礼いたしました。 お書き込み、ありがとうございます。 またのお越しをお待ちしています。 ●名前 オロロヂ ●登録日時 02/17(土)11:26 パスワード re(4):これからの時計業界って・・・ -------------------------------------------------------------------------------- 上森さん、Lansingさん、いつもおせわになっております。 確かに最近の広告を見てますと、そのものより、イメージ的なものを強調してますね。 考えてみますと、ものに重点をおいた広告というのはメーカーの感覚であり、イメージ に重点をおいた広告というのはブランドの感覚であるといえましょう。そういう意味で 企業統合の動きにあわせた現象なのかな、と思います。  いずれにせよ、いいものをつくっているところには、様様な動きにも負けずにがんば っていってほしいものです。