●名前 96(キューロク) ●登録日時 03/11(日)20:12 パスワード げに凄まじきはドイツのランゲ -------------------------------------------------------------------------------- みなさん、こんにちは。 いきなり大層な題名になってしまいましたが、行ってきました。南青山のランゲ直営店に。 時計の(価)格も高いですが、お店の敷居も高かったです(スーツ着用で行きましょう)。 写真を見ただけても、その凄まじいばかりの作り込みに圧倒されるランゲの時計ですが、 その迫力をついに間近で感じ取ってきました。基本的に現行時計よりオールドウォッチに 惹かれる私ですが、ランゲだけは例外でした。カタログ写真からではわからないケース側面の ヘアライン仕上げとポリッシュ仕上げの対比の妙、ベルト、バックルの質感、 それに何といってもシースルーバックから見えるムーブメントの美しさ。 シースルーバック否定派の私ですが、あのムーブメントを見てしまうと、ソリッドバック にするのは勿体ないと思ってしまいました。ムーブメントに使っている洋銀の質感も たまりません。う〜ん、美しすぎる。この質感を出すために洋銀をそのまま使用している らしいのですが、そのせいでメンテナンスには非常に気を使うとのことです。 ちなみに、フィリップ・デュフォーのシンプリシティー(これまた美しい!)は洋銀に メッキをかけていたと思います。時計(特に機械式時計)を道具として見た場合、 メンテナンス性が悪いということは致命的な欠点にもなりかねません(ランゲの オーバーホールができる職人は日本に一人しかいないはずです)。このあたりは賛否両論 あると思います。外観上で気に入らなかった点は、ケースとムーブメントの大きさが 合っていないこととリューズが小さいことぐらいでしょうか。ランゲはパテックを目標に しているそうですが、個人的にはスタンダードモデル(手巻き、自動巻とも)に関しては 現行パテックを完全に超えていると思います(現行パテックはオールドパテックとは別物です)。 独立時計師の作品やメーカーのスペシャルピースを除くと、“現行”時計の頂点は ランゲだと確信した1日でした。スイスの時計業界にしてみれば、 黒船来襲といったところでしょうか。(以上、あくまで私の主観です) で、ランゲを購入する決心がついたかというと、実はそうではありません。 上には書きませんでしたが、ランゲの購入をためらわせる決定的な理由がありました。 私以外の人からすれば、どうでもいいような理由なのですが、私にとっては購入を 諦めるのに十分な理由です。 その理由とは何だと思いますか?(もちろん、時計そのものに関係しています) ●名前 石炭袋 ●登録日時 03/12(月)00:56 パスワード re(1):げに凄まじきはドイツのランゲ -------------------------------------------------------------------------------- 96さん、みなさま、はじめまして。 ランゲの中で一番シンプルで安価(?)な1815を使っています。 私も数年前にふらっと表参道のお店に行って、実物(というかそのムーブ)を見せ てもらったが最後、そのままドカーンと購入してしまいました。 ランゲの機械で感じるのは、他の機械とは比べ物にならないほど部品がキチっと 組みあがっていて、とにかく遊びがない(遊び心じゃなくて、バックラッシュの方)。 他の時計(特に秒針規制装置付きのやつ)だと時間を正確に合わせて竜頭を押し込むと、 歯車のバックラッシュなんかのせいで1分後の分針の位置が微妙に手前になったりし てストレスがたまるのですが、ランゲはそれがは全くないんですよね。 ランゲも秒針規制装置がついていますが・・・時間あわせをするたびにそう思わされます。 で、いままでこの掲示板は読んでいるだけだったのですが、 興味深いクイズ(?)があったので思わず書き込んでしまいました。 購入をあきらめた理由は、もしかしてリュウズを巻いた感触ではないですか? ランゲの機械の巻きごこちって、他の時計とはまるっきり違っていて、 アンティークの手巻きムーブみたいなカリカリという感触が全くないんですよね。 別に、それが安っぽいかというとそうでもないんですが。 96さんはアンティークがお好きなようですのでそう感じたのですが・・・ いかがでしょうか? あとは何かあるかなぁ・・・。 もし私の答えが違っていたら答えを教えてくださいね。 それでは。 ●名前 96(キューロク) ●登録日時 03/12(月)07:47 パスワード re(2):げに凄まじきはドイツのランゲ -------------------------------------------------------------------------------- 石炭袋さん、はじめまして。 >ランゲの中で一番シンプルで安価(?)な1815を使っています。 私がランゲを購入するとすれば1815です。安価だなんてとんでもない。 私はランゲ1が1815と同じ価格であっても1815を購入します。 ランゲの売りのアウトサイズデイトというのがどうも苦手なもので。 >購入をあきらめた理由は、もしかしてリュウズを巻いた感触ではないですか? >ランゲの機械の巻きごこちって、他の時計とはまるっきり違っていて、 >アンティークの手巻きムーブみたいなカリカリという感触が全くないんですよね。 >別に、それが安っぽいかというとそうでもないんですが。 >96さんはアンティークがお好きなようですのでそう感じたのですが・・・ >いかがでしょうか? ピンポ〜ン。早速当てられてしまいました。 そうなんです、”巻き味”がしっくりこなかったのです。手巻き時計の醍醐味は、 巻くときのあの絶妙な感触にあると思っているので、巻き味の気に入らない時計は 本当に見るだけの時計になってしまいます。ランゲの巻き味については、気にしてる 人が結構いるのでしょうかね。直営店の人は、私が何も言わないうちから先制攻撃を しかけてきました。私がリューズを巻いた瞬間、 「部品の精度が高いので、アンティークのようにカリカリしないんですよ」 と言われました。私は、「何かが違う」と心の中で思っていたのですが、 「はぁ、すごいですね」と言ってしまいました。 私の経験では、巻き味が軽いのはランゲだけに限らず、最近の手巻き時計はおしなべて そのような傾向にあると感じています。ランゲの部品の精度が云々というより、何か他に 理由があるのではないでしょうか。ただ、私の場合、オールドも含めてそれほど多くの 手巻き時計を触ってきたわけではないので、実際はオールドでも巻き味の軽い時計やその 逆もあるかと思います。みなさんの経験談(お手持ちの時計の巻き味)を聞かせていただき たいと思います。 巻き味にも関係してくるのですが、リューズの大きさも残念でした。 はっきり言って、巻きにくかったです。手巻き時計はリューズにもっと注意を払って もらいたいものです。同じランゲでも、ダトグラフは立派なリューズを持っているのに (巻き味もよさそうです。誰かダトグラフのリューズを巻いたことのある方、教えて下さい)。 自動巻やクォーツであれば、デザイン重視でもかまわないです。 最初期の自動巻時計のハーウッドはリューズがありませんし、パテックの初期の自動巻き に付いているあの重厚なPPリューズは巻くことを前提にしていないと思います。 私は日頃、「リューズは巻くためにある」と思っています。 ●名前 たろ ●登録日時 03/12(月)18:14 パスワード re(3):げに凄まじきはドイツのランゲ -------------------------------------------------------------------------------- 96さん、今日は。 私はアンティークウォッチを使ったことがないので、リューズの巻き心地の差に着目し た事はありませんでした。 >(巻き味もよさそうです。誰かダトグラフのリューズを巻いたことのある方、教えて下さい)。 大阪の大丸心斎橋店で昨年、一昨年と時計博に出品されていたダトグラフを、2回とも 触らせてもらい、リューズも巻いているのですが、”大きいな”と思っただけで、あま り巻き心地の印象は残っていません。恐らく、他のランゲと変わらなかったのではなか ったのかと思います。 私にとって関心の薄かった部分だったので、曖昧な表現で申し訳ありません。 大丸心斎橋店は、毎年秋頃に時計博を行うのですが、恐らく今年もダトグラフは出品さ れるのではないかと思いますので、きちんと確認してみます。 ●名前 ひでぶう ●登録日時 03/13(火)00:06 パスワード re(4):げに凄まじきはドイツのランゲ -------------------------------------------------------------------------------- 皆さん今晩は。 手巻きの味を求めるなら、現行品ではフィリップ・デュフォー氏でしょう!! 値段は張りますが。 一方、ランゲですけど、テンプの径が、チョッと小さい印象で、精度面で不利かな?って、偏見ですかね。 ●名前 96(キューロク) ●登録日時 03/13(火)06:42 パスワード re(5):げに凄まじきはドイツのランゲ -------------------------------------------------------------------------------- ひでぶうさん、こんにちは。 >手巻きの味を求めるなら、現行品ではフィリップ・デュフォー氏でしょう!! >値段は張りますが。 フィリップ・デュフォーのシンプリシティいいですね。ただ、余りにも価格が現実離れ しているので、購入対象に考えたことすらありませんでした。写真から見る限りにおいては、 ランゲとは違った意味で凄みを感じます。いい意味でランゲよりもあっさりしているような。 唯一気になる点といえば、アフターサービスです。彼に限らず、独立時計師の時計は 本人が亡くなった後の部品の供給やオーバーホール等が気になります。 プレジウソは、将来のアフターサービスのことを考えて汎用性のあるETAをあえて使用 していると言っていました。彼の真意はわかりませんが、そう言う考え方があっても いいと思います。 それにしても、あのレベルになると工業製品というより手工芸品に近いように思います。 やはり、今の時代に昔ながらの方法で真の手作り時計を作り出そうとすると、あのような 価格になってしまうのでしょうか。あの価格であれば、パテック全盛時(1930年代〜1960年代)の デッドストックが買えるかもしれません(モデルにもよりますが)。 もし、96のデッドストックがシンプリシティと同じ値段で店頭に並んでいたら、 みなさんはどちらを選びますか? ●名前 Chika(♂) ●登録日時 03/13(火)17:58 パスワード re(6):げに凄まじきはドイツのランゲ -------------------------------------------------------------------------------- 96さん、こんにちは。ひでぶうさん、ご無沙汰です。 某掲示板ではお世話になりました。 フィリップ・デュフォーのシンプリシティは、確かにいいです。 本当にシンプルで、竜頭の巻の感触もカリカリしてます。 部品の供給の問題はともかく、メンテナンスについては、 機械の構造自体は特に複雑なものではないので、彼自身でなくても メンテナンスは可能であるとシェルマンの店員さんが言ってました。 一応、僕の時計購入5カ年計画の候補の一つですが、やっぱり高いですよね。 まあ先は長いので、焦らず決めます。 (決める頃は、製造終了しているかもしれませんし、計画自体が途中で ストップするかもしれまんが。) 僕も96さんと同じようにOLD PATEKが好きなのですが、僕はこれまで 自動巻のものを購入してきました。96さんの言うとおり、PPクラウン は巻くことを前提にしたものではないかもしれませんね。だから、 自動巻のモデルだけについているのでしょう。でも、僕はあのPPクラウンが 好きなんですよ。今はもう一新時計にも在庫が無いです。 ●名前 たろ ●登録日時 03/14(水)09:44 パスワード re(7):げに凄まじきはドイツのランゲ -------------------------------------------------------------------------------- Chika(♂)さん、こんにちは。 私も、シェルマンでデュフォー氏のシンプリシティをみせていただきましたが、 メンテナンスについては、Chika(♂)さん同様の話を専務から伺いました。 その時の詳しい説明は、 デュフォー氏自身が、グランソネリやデュアリティの様に、彼自身でないとメ ンテナンスできない時計とは全く違うもので、機械構造そのものも、無理のな いしっかりしたものに仕上げ、メンテナンスも容易で、子孫に代々伝えてゆけ るシンプルな時計を作りたい。というコンセプトで仕上げられたのだそうです。 最近のムーブメントは高級品でも、職人の技術により、全体のバランスで調整 される為、経年により、噛み合いの悪い所に関係する部品群が傷んでしまうの で、その部品群をそっくり交換する。というメンテナンスを行うのが、通例ら しいのですが、シンプリシティでは、(というよりデュフォー氏の時計は全て でしょうけど)細かい歯車等の部品の削り出しから手作業で始めて、設計の型 に合わせ、納得いくまで丹念に仕上げるそうなので、部品の噛み合いの悪さで 各部が損耗する事はなく、結果として、機械が長持ちし、メンテナンスも容易 になる。という事らしいです。 (でも、部品の供給までは触れてませんでした。) 又、受石のルビーもシースルーバックでは、できるだけ大きいものを使用する と、一般受けするのですが、デュフォー氏によると軸に合った適正な大きさが あるそうで、妥協の無い設計になっているそうです。 シンプリシティを見ての私の感想ですが、 まず、雑誌等で見た感じより小さいという事。計りませんでしたが、パテック の96よりも若干大きいだけ、という感じで、3針のシンプルなデザインとい うこともあり、とても清楚な印象を受けました。 ムーブメントはやはり、ランゲと同様に、ブリッジのコートドジュネーブ仕上 げが絶品でした。私個人的には中の輪列がもう少し見えれば嬉しいのですが。 ただこの280万円という価格ですが、意見の分かれる所でしょう。パテックの 3796なら2本買えます。この点は代理店のシェルマンさんも設定に苦慮したと 言われてました。上記のような独自性を鑑み決定したそうです。 最後に話は変わりますが、再三出ている、竜頭巻き上げ時のカリカリ感ですが、 具体的には、巻き上げ機構のどういう所が影響して差が出るのでしょうか?詳 しい方、お教え下さい。 ちなみに、シンプリシティーではコハゼの形状が特殊でして、大きな板バネの ようなものがついてました。このあたりが関係あるのかなぁとも思いましたが。