●名前 ブラックフェイス ●登録日時 05/14(火)21:47 オ−バ−ホ−ルによる悲劇 -------------------------------------------------------------------------------- みなさん貴重なご意見ありがとうございます。 参考にまで、実話をもう一つ...わたしの知人の話ですが... 彼は、祖父から譲り受けた、金無垢のバセロン・コンスタンチンを愛用 していました。 古い時計でしたが、風防、針、尾錠などがフルオリジナルで、彼の自慢の 時計でした。 ある日、時間の遅れが気になるようになり、いつもの時計店にOHに出した のでした。 いつもOHに出すときは、「オリジナルの部品は交換しないように」と、店員に伝言 していたので、今までトラブルは無く、安心して時計を預けたのでした。 今回も同じ店に預けたので、「もうくどくどと同じ事をいわなくてもいいな。」と このときだけは、なにも注文をつけずに時計を預けたのでした。 暫くして、帰ってきた時計を見た友人は、言葉を失いました。 なんと、なんの断りもなく、竜頭がオリジナルと違う物に交換されていたのです。 フルオリジナルを自慢に大切にしてきた時計の竜頭が..真鍮に金メッキされた 安っぽいピニオンギヤのような竜頭になって帰ってきたのです。 オリジナルの竜頭は、大きめで、重圧なデザインで、ヴァゼロンの刻印 があり、当然、金無垢であったようです。 おどろいた彼は早速、時計店に問い合わせて、オリジナルを返却するよう 抗議しました...しかし...「防水性を損ねるし、ちゃんとゼンマイが巻けない」 などの返事で、一向にオリジナルの竜頭を返却しようとはしませんでした。 再三の抗議の後に、帰ってきた返答が、以前勤めていたベテラン技師が退職し、 新しい技師が担当するようになったのだが、分解した時に竜頭を破損させて しまったとの事でした。 その後、バセロンの金無垢の竜頭に交換されたのですが、微妙にケ−スの金との 間に色の違いがあり、バランスが崩れたなじまない物になってしまったのでした。 確かに、時間は正確になったようですが...大切な物を失ってしまった時計... 「時計は、時間を正確に知らせる機械なのだから、ちゃんと機能するように   なって、よかったじゃないか!」.....  時計を愛して大切にしている人と、時計を扱うことを仕事としている人..  それぞれの人の心のなかには、大きな隔たりが知らぬ間にできている  のでしょうか?.... ●名前 hello ●登録日時 05/14(火)22:33 re(1):オ−バ−ホ−ルによる悲劇 -------------------------------------------------------------------------------- 時計の修理は本当に繊細な作業だと思います。。 しばしば車の車検等と比べられますけど・・・ 車は完全にオリジナルになんて殆どこだわらないし 部品が無くても何とかなるのが殆どですよね。 時計の場合別作で部品を作れてもオリジナルに勝る物は ありませんよね。メーカーの代替品でもオリジナルパーツの ストックでなければ殆ど意味がありませんし。 本当に大切にしている時計ならば例えばパテックのOHが ウン十万円だとしても万が一の事故があるのなら正規サービス が正解なのかもしれないですよね。 OHの際にも交換パーツがあるときは連絡するようにと言付けも 重要ですよね。 それかもう、竜頭も含め風防等消耗部品は割り切ってしまうとか・・・ ●名前 Chika(♂) ●登録日時 05/15(水)15:36 re(2):オ−バ−ホ−ルによる悲劇 -------------------------------------------------------------------------------- こんにちは。 オリジナルにこだわるというのは、よく分かります。僕も非常にこだわります。 勝手に竜頭を交換されたときのショックは相当なものだったでしょうね。 僕はOLD PATEKが好きで、2本持っています。そのPATEKの竜頭がPPクラウンなのですが、 このPPクラウンが、すでに代理店の一新時計にも在庫がありません。よって、例えばOHを 出して勝手に交換されて、それが処分されてしまったら、手に入れるのは非常に困難に なります。こう考えると、OHも依頼先の選定を含めて慎重にならざるを得ないですね。 代理店に依頼すればOHは100%大丈夫というのも、ちょっと疑問なところがあります。 以前、PATEKを一新時計にOH出したのですが、OHが終わって戻ってきて、竜頭を引いたら そのまま抜けてしまったことがありました。(留めるネジがゆるんでいただけのよう でしたが。) あのときは、本当に一瞬目の前が真っ暗になりました。 ●名前 ブラックフェイス ●登録日時 05/15(水)19:55 re(3):オ−バ−ホ−ルによる悲劇 -------------------------------------------------------------------------------- パテックのPPの竜頭は本当に貴重な芸術品ですよね。 以前にある時計店で、PPの竜頭のはずであるRef.2526(トロピカル)が カラトラバの普通の竜頭で売り出されているのを見たことがありますが.. 全く印象が変ってしまい、魅力も半分以下に感じられました。 たとえ竜頭でも、オリジナルのパ−ツでなければ、大きく印象が変ってしまう場合 は、勝手に他の部品に交換されることを防がないといけませんね。 しかし、竜頭も消耗品という考え方も否定できないのも事実です。 ロレックスのオイスタ−ケ−スの場合、OHに出すと、必ずパッキング の交換と一緒に、クラウン(竜頭)とチュ−ブが交換されます。 防水性を維持するために必要な作業として理解できますし、安心です。 私の場合、ロレックスは使い込む時計なので、キズも気にしないガンガン使い、 定期的なOHで消耗部品は気持ち良く交換して、またガンガン使うという感じです。 しかし、こんな時計でも、文字盤にキズを入れられたら...許せませんよね..。 風防の中の世界は、ユ−ザ−からは手の届かない神聖な領域であり、最も 美しくなくてはならない所なのですから。 結局、悲劇を防ぐには、他人まかせにしないで、その時計に対する思い入れ を、作業する技師に正確に伝える必要があるのかもしれませんね。