●名前 VSOP ●登録日時 04/10(木)11:25 四千八百円 -------------------------------------------------------------------------------- 靴を買いに近くのホームセンターに行った。時計売り場を見ると セイコー5がならんでいた。見慣れた海外産の前に国内産が置いてある。 文字盤にJAPANと入っているので間違いないと思う。デザインも少し 精悍な感じがする。同じ4800円なのでこっちを私は買うだろう。 しかし4800円でよく利益がでるものだ。世界市場では主に電池の供給の 問題から機械式の需要が多くあるという。日差+20秒で10年間メンテ なしで動けばそれはすごいことである。多分、動くだろう。 過去の設計図をもとにムーブメントを製造しても精度は非常に良いといわれる。 今の日本の工作機械の精度は昔と一桁違うからである。ひげぜんまいも自社生産 しているセイコーの精度は無調整でも高いといわれる。 10年使用してOHに持っていったら費用のほうが高いので買いかえて下さいと 言われるのだろうか。耐久性を実験したいが毎日使用したいとは思わせないので 実証するのは難しい。 ●名前 上森 ●登録日時 04/11(金)02:49 re(1):四千八百円 -------------------------------------------------------------------------------- みなさん、こんばんは。 VSOP さん、こんばんは。お元気ですか? 最近、あたたかくなりましたね。 楽しい話題をありがとうございます。 > 靴を買いに近くのホームセンターに行った。時計売り場を見ると > セイコー5がならんでいた。見慣れた海外産の前に国内産が置いてある。 > 文字盤にJAPANと入っているので間違いないと思う。デザインも少し > 精悍な感じがする。同じ4800円なのでこっちを私は買うだろう。 > しかし4800円でよく利益がでるものだ。世界市場では主に電池の供給の > 問題から機械式の需要が多くあるという。日差+20秒で10年間メンテ > なしで動けばそれはすごいことである。多分、動くだろう。 それは安いですね。 お求めになったのですか? > 10年使用してOHに持っていったら費用のほうが高いので買いかえて下さいと > 言われるのだろうか。耐久性を実験したいが毎日使用したいとは思わせないので > 実証するのは難しい。 4800円。 時計好きが愛用するには「安すぎる」と思わせる価格ですね。 いえ、ちょうどわたしも、最近、価格について考えていたものですから、 VSOPさんのお話に、感じるところがありました。 ちょっとお話させてください。 価格というのは不思議なものだと思います。 たとえば、こんなことを空想してみます。 わたしが、ある人(Aさん)に大変親しくしてもらっていて、 Aさんに心から感謝しているとしましょう。 Aさんは、とても親切で博識で、お話を聞いていると学ばされることも多く、 わたしはAさんを尊敬しているとしましょう。 Aさんはいつも万年筆を使って、勉強しています。 わたしは、日頃はパソコンのキーボードを叩くばかりなので、 そのアナログな万年筆を見て、新鮮な感覚におそわれます。 「ほう、この時代に、万年筆もいいものだなぁ・・・」 と思います。 そして、時が過ぎ、わたしは事情があって遠くに引越しすることになり、 Aさんと気軽に会えなくなるとしましょう。 そしてAさんは、わたしに、お別れに愛用の万年筆をくれたとしましょう。 きっと、わたしはうれしい気持ちでいっぱいになることでしょう。 そして、こう思います。 「この万年筆、一生使いたい!」 「思い出を大切にしたい!」 さて、わたしはAさんから大切な万年筆をもらって、 なんとも、心の支えを手に入れたような幸せな気持ちをかみしめつつ、 今まで全然興味がなかった万年筆という品物に対して、 急に興味がわきおこってきます。 そして、「この万年筆の素性が知りたい」と思います。 インターネットを調べたり、各社のカタログをみたり、 万年筆関係の本を読んだりします。 すると、 このAさんからもらった万年筆は、定価1500円の無名の品物で あったことが判明したとしましょう。 もしこうなったとき、わたしはいったいどう思うでしょうか? もしかすると、 わたしが、この万年筆体験によってモノ道楽に目覚め、 いろんなモノ情報を仕入れることにより、 万年筆愛玩の世界に片足を突っ込んだ精神状態になっているとすれば、 わずか定価1500円という金額を知って、 「なーんだ」と思ってしまうかもしれません。 「1500円じゃあ、一生使うなんて無理だな」 「それより、モンブランの149を買って楽しみたいな。  だってみんながいい品物だっていうし、高いし、高級だから、  自分が長い間使うにはもってこいだろう」 「万年筆って奥が深そうだし」 とか、思ってしまうかもしれません。 以上は極端な例ですが、 もらったプレゼントの値段を知ったときとか、 あげたプレゼントの値段を知られたときとか、 なんとも微妙で複雑な心理変化が起こるのはなぜなのでしょうね。 「価格を知る」とはこのように、 所有者にたいして実に面白い変化をおこすものだと思います。 「素晴らしい品物と思っていたのが、値段を知ってがっかりした」 とか、 「つまらない品物と思っていたのが、値段を聞いてびっくりして、  見直した」 とか、 しかし、 考えてみますと、価格というのは、 自分ではない他者が品物に対してつけた評価です。 もちろん、素材がいいとか、ブランドネームが確立されてるとか、 高い品物にはそれだけの理由があるから高い価格がつけられるのでしょうが、 いずれにしましても、それは、品物を所有する自分自身ではなく 赤の他人がつけたもの、世間の評価額であります。 よく、「安かろう、悪かろう」という表現がなされますが、 それは、価値観を自己自身ではなく、他者の基準に委ねるという姿勢に 他ならないと思うのであります。 ところで、 ニーチェはこのように言っています。 「価値とは何か? 価値とは評価である」 わたしは、これは深い意味のある言葉だと思います。 すなわち、 1500円の万年筆でも、 自分自身にとっては金銭には変えがたい価値がある、と信ずれば、 それは、少なくとも自分自身にとっては貴重な品物になるのであります。 また、 たとえば、Aさんがノーベル賞か何かをとって、世間的に広く認められ、 多くの人々が、その万年筆を見て、 「なんか、いわくがありそうで、価値があるなぁ」 と評価すれば、たちまち、高値で取引される品物になるのであります。 1500円のものが15万円になったとしても、なんら不思議はないのであります。 そう考えますと、価格というものは、 自分の価値観を強制的に、世間の平均的評価に合致させようという 働きがあるように思います。 とすると、 「これは、世間ではいくらと評価されているのか知らないが、  自分はこれが素晴らしいと思っているから、素晴らしいのである」 という考え方も一理あると思います。 というより、これこそ、自分の価値観に立脚した主体的で 自然な気持ちではないでしょうか。 幼い子供の価値観はまさにこれかもしれません。 幼い子供にとっては、おもちゃの値段がいくらかなど、 まったく気にならないでしょうから。 というわけで、 価格について思うところを書かせていただきました。 長々と失礼しました。 季節の変わり目ですので、お体ご自愛ください。 楽しいお話ありがとうございました。 それでは。 ●名前 VSOP ●登録日時 04/11(金)17:26 re(2):四千八百円 -------------------------------------------------------------------------------- まだ買ってません。買っても使わないのではと思ったからです。 セイコー5が4800円といってもほとんどの方はだからどうした程度の事 でしょう。それではおもしろくないので少し説明します。 1970年当時の少年にとって初めての時計は当然ですが国産でした。 クオーツの台頭前夜であり機械式は隆盛を極めていたのです。セイコーは 5アクタス、5スポーツを学生用として多くの種類を擁していました。 5千円から1万5千円くらいの価格でした。5スポーツの高いのはクロノ グラフが付いていてかっこよかったのですがなかなか買ってもらえる物では ありません。7千円くらいの5アクタスを小学生がしていても目立つような 時代だったのです。上は最高のグランドセイコーが10万円でした。 だいたい駄菓子屋にいけば5円10円のものばかりで50円でお腹いっぱい、 100円あればなんでも買えました。 33年もたって、4800円で同等以上のものを製造できる日本の工業力を 誇らしくは思います。しかしギフトにはしにくい、狂うのは安いから と誤解されたくはないし、薀蓄を述べるほどの金額ではないしというところ です。海外旅行で地味な日本人を装うときは良さそうです。 ●名前 上森 ●登録日時 04/14(月)13:34 re(3):四千八百円 -------------------------------------------------------------------------------- みなさん、こんにちは。 VSOPさん、こんにちは。ご返信ありがとうございました。 > 1970年当時の少年にとって初めての時計は当然ですが国産でした。 > クオーツの台頭前夜であり機械式は隆盛を極めていたのです。セイコーは > 5アクタス、5スポーツを学生用として多くの種類を擁していました。 > 5千円から1万5千円くらいの価格でした。5スポーツの高いのはクロノ > グラフが付いていてかっこよかったのですがなかなか買ってもらえる物では > ありません。7千円くらいの5アクタスを小学生がしていても目立つような > 時代だったのです。上は最高のグランドセイコーが10万円でした。 なつかしいお話ですね。 わたしもVSOPさんと近い世代かもしれません。 (66年生まれです) 少年の頃のわたしにとって腕時計は憧れを抱かせる特別な品物でした。 おっしゃるように、学生が使うものとしての選択肢は国産しかなかった と思います。 わたしのまわりでは、ちょうどデジタルが広まっていた頃ということもあり、 ステンレスブレスのデジタル時計が多かったと記憶しています。 塾に行く子供の定番アイテムだったのではないでしょうか。 デジタルは、アナログの針の時計に比べて、カチッツカチッと変わる数字の動きが、 未来的な感じを漂せるようでもあり、珍しく、 飽きもせずに眺めていたのを思い出します。 アナログクォーツも一般に浸透してきていて、 病院などに行くと、壁にかけられている丸型の大きな時計が、 秒針をステップ運針させているのをみて、なんとも、 精確できっちりしている雰囲気を感じたものです。 その頃は子供心にも「時計はクォーツに限るなぁ」と思っていたのですが、 それが後に、機械式時計に魅力を感じるようになるのですから 不思議なものだと思います。 ●名前 VSOP ●登録日時 04/14(月)17:05 re(4):四千八百円 -------------------------------------------------------------------------------- 私は61年です。74年になると時代はクォーツでした。ブローバの音叉時計 を塾の先生がしていたのは73年でしたがあっという間に時代は変わってしまい ました。 74年にアメ横で時計を買ってもらいました。セイコークォーツQRとオメガの Geneve自動巻きで悩みましたがQRを選びました。ステップ運針はとてもかっこ よく思いました。どちらも5万円位だったと思います。QRは電池の蓋がケース よりも出っ張っているし厚くて重い時計でした。今なら選びません。 そして電池交換が当時は高かった、2千円以上したと思います。 一般に70年代の時計はカットグラス、色文字盤など派手なものが多かったです。 オメガGeneveの文字盤は茶色のメタリックでした。 デジタルではシチズンのデジアナをよく覚えています。2つの時間を機能的に 表示していると思います。自分で買ったのはカシオでした。アラームが鳴るのが 嬉しくて意味もなく鳴らしていました。 ●名前 VSOP ●登録日時 04/17(木)12:38 re(2):四千八百円 -------------------------------------------------------------------------------- SEIKO5買ってしまいました。取り説、保証書、箱と全部セイコーのものが ついてきました。タグには21JEWELS MADE IN JAPAN,ブレスの留め金具、 文字盤にもSEIKO JAPAN と表記されています。7S26の精度は+45から −35秒とあります。曜日が英語とアラビア語で中東向けのままです。 隣のショーケースにはオメガ シーマスターオートマチック21万円が 10万円で置いてありました。 ●名前 又一庵 ●登録日時 04/23(水)13:50 re(2):四千八百円 -------------------------------------------------------------------------------- VSOPさん、こんにちは。上森さん、お久しぶりです。 しばらくぶりに、こちらを拝見していて、懐かしい上森節を見つけました。 お変わりなく、お元気な様子で、安心しました。 SEIKO5ですが、私も1つ持ってます。価格も税込みで5000円程度 ですから、VSOPさんが見られたものと同じですね。 SEIKO(精工舎)は、今でこそ、シチズンさんに抜かれて日本No.2の メーカーですが、東京オリンピックのころからクォーツが全盛時までトップを 走ってました。今もグランドセイコーやクレドールは抜群だと思います。 SEIKO5ですが、おそらく、東アジアでムーブ組み立てされていると思います。 VSOPさんも書かれているように、電池が開発途上国では供給できないのです。 したがって、スイスのクォーツショックの時期にも、メカ式時計が平行して作られ ていたと言うわけです。 東アジア諸国の作業工賃は日本の10分の1以下ではないでしょうか?ハイテク 産業でも中国の安価な労働力は脅威なのです。 ですから、SEIKO5は、安かろう、悪かろうではなく、舶来時計にも匹敵する 性能を持っているといっても過言ではないと思います。 上森さんが、おっしゃられるようにものの価値と価格は比例するものではなく、 個人それぞれの思い入れを含んだものだと思います。 私もここ何年か、時計というものを見てきて、ブランドイメージだけではなく、 もっと深く内包する価値を見いだすべく、精進しているところです。 同じETAのムーブを使った時計でも、時計師さんの心意気と技術、仕上げで メーカーによってすばらしい時計があります。なんだETAムーブかと言わず、 その時計のパフォーマンスを正当に評価できるようにできれば、機械式時計が より楽しくなるのではと思います。 桜は散ってしまいましたが、近くの公園ではツツジや藤が咲き始めています。 まだ朝夕の冷え込みもあり、カゼを引きやすい時期です。皆さんも体にはお気を つけてくださいね。健康があって、趣味の時計も楽しめるのですから・・・。 それでは、また顔出します。 ●名前 十字路口 ●登録日時 05/05(月)21:43 re(2):四千八百円 -------------------------------------------------------------------------------- みなさんこんばんは、上森さんこんばんは。  時計趣味もしばらくやってるとだんだん好みが決まってきてしまい、  いいなあと思う時計は簡単な構造の手巻き3針時計ばかり・・  そういえば最近なかなかいいなあって時計に会わないような気がするなあ。  さて宝石をプレゼントで購入するときの大きな間違い?の一つは女性を連れていく  ことだと思います。その店で当りをつけてある物を見ながら、ふと目を向けると  若干(あるいは大変)高価なものが目にとまります。  宝石は並べて比較すると、一発で差が出てしまいます。当然「なにも知らない」  と思っていた女性はいとも簡単にこれ(高いほう)がいいとなるわけで、予算の  枠はあっと言う間に崩れて、密かに「その後で」購入する予定の「物」が買えなく  なってしまうのです。  時計も同じで、並べて見たときに果たして明確な理由をもって「それ」を選べる  か・・・が、上森さんの言う「評価」でしょうか。  これは結構難しいですね。時計に対するそれなりの知識もいるし、経験もいるし。    例えば、パテックの3針(当然金無垢)とオメガの3針(一応金無垢)があって  並んでいたら、どうだろう?もしもパテックを持っている人で、日常使いには  重いと思っていれば、気軽なオメガを選ぶでしょうし、パテックを知らない?  ひともオメガを選ぶでしょう。またクロノグラフ以外興味の無い人はどちらにも  興味を示さないかもしれません。  「自分はこれが素晴らしいと思っているから、素晴らしいのである」と言うため  には、それ相応の知識、経験、感性がいるのかな。  最近良く見かけるようになったセイコー5系の時計、ダイバーなどを見ても、  30年前にセイコーが出していた廉価版の時計よりは、よく出来ている  ように思うのは「感性」のせいでしょうか?すでに当時機械時計に軸足を置いて  いなかったメーカの「本音」が見えるからでしょうか?  4千八百円!では有りませんでしたが、本当は使いやすくてどこぞの金無垢より  結構使っているセイコー逆輸入時計です。  ではでは。 ●名前 VSOP ●登録日時 05/13(火)17:35 re(3):四千八百円 -------------------------------------------------------------------------------- 金無垢でも革バンドなら時計負けすることはないのですが オメガコンステレ―ショングランドラックスCal.561は バンドも12角の文字盤も針も全て18Kで時計負けします。 革バンドに変えてしばらく常用しましたが意味がないので 似合う年齢になるまで温存することにしました。常用は ステンレスのシーマスターCal.562です。 パテックを買うレベルになるにはまだまだです。 宝石は高い物ほどきれい、ごもっともです。国産の真珠は良い 物が少なくなり極上品は入手困難です。ダイヤでは面白い話があります。 東急日本橋店が閉店するとき正札500万円の裸石を250万円で 売っていました。私は売り場の人に聞きました。なんで半額になる のですか。この石を買ったあと売りに出したらいくらになりますか。 その方は答えました。100万円で売れれば良いほうです。宝石の 価値とはそういうものですから。それを聞いて思いました。100万円 なら買うかもしれないと。 ●名前 又一庵 ●登録日時 04/23(水)14:07 re(1):四千八百円 -------------------------------------------------------------------------------- VSOPさん、こんにちは。 楽しい話題をありがとうございます。 >10年使用してOHに持っていったら費用のほうが高いので買いかえて下さいと >言われるのだろうか。 メンテですが、SEIKOさんの場合、メーカー送り返しをする時計屋さんも あるでしょうが、SEIKO5程度の時計でしたら、街の時計屋さんで分解掃除 くらいやってしまうと思います(これもお店によりますが)。 お代は、新品購入より高いでしょうが、リーズナブルな価格でやってもらえると 思います。もし、10年ずっと使っていたのであるなら、絶対OHした方がよい です。 私、スウォッチのメカ式を持っているのですが、こちらの方は、取扱説明書に  ”OHはしません” と明記されていました。これこそ使い捨てなんでしょう。 この時計は、ETAのムーブです。交換部品もまちがいなく入手できます。 メンテ充分できるのに・・と思ったものでした。 お買いになったSEIKO5ですが、できるだけ使ってあげてください。時計は 使ってこそ、価値があります。 それでは。 ●名前 VSOP ●登録日時 04/24(木)11:45 re(2):四千八百円 -------------------------------------------------------------------------------- スウォッチのメカ式は裏スケルトンのを以前、持ってました。2842でした。 説明書をよく見なかったのでOHを受け付けないことは知りませんでした。 多くの2842はOHよりも交換が多いと聞きます。日本製の5は数多くは流通 しないと思いますのでていねいに使用します。