オリス



オリスの歴史は1904年、バーゼル・フェアの開催地として有名なスイスバーゼル地方に流れるオリス川のほとりに設立されたオリス時計工場に始まりました。

当時は懐中時計が主流であり、腕時計が今ほど一般的にはなかったため、腕時計を専門に生産することを目的として作られたこの工場は大変めずらしい存在とされました。
このことはオリスの創立者であるポール・カッティンとゲオルグ・クリスチャンの二人の男が持ち合わせた将来の時計に対する先見性の高さを示しています。

1938年には時計史に残る傑作、ポインターデイトを開発しました。
文字盤の外側に表示された日付を赤い矢印の指針で示すユニークな機構は瞬く間に人気を呼び、現在まで作りつづけられオリスのトレードマーク的な機構として定着しています。

そして、オリスをさらに有名にした腕時計が1941年に発表されました。
大型のリューズが特徴のビッグ・クラウン・ウォッチでした。
時代はまさに第二次世界対戦の真っ只中であり、この年は日本軍の真珠湾攻撃により太平洋戦争が勃発していった年でもあります。

このビッグ・クラウン・ウォッチに真っ先に目を付けたのが、アメリカ陸軍航空隊のパイロット達でした。
狭いコックピットの中で手袋をはめたまま絶えず時計の調整や巻き上げをしなくてはならない彼らにとってビッグ・クラウン・ウォッチの大型リューズは、その操作性の良さから大いに役立つこととなり瞬く間に彼らのあいだで爆発的な人気を呼ぶこととなりました。
現在ではオリスの代表モデルとなっています。
 
最近は独特なGMT機構の時計を発表したり、ロンドンで行われるジャズ・フェスティバルを主催し限定モデルを発表するなど、活発な時計製造と販売活動を続けています。