●02-5.クロワゾネ(cloisonne)
エナメル製法の中で最も多く見かけられるのがこの製法で、クロワゾネとは、フランス語 で「仕切られた」という意味合いの言葉である。
言いかえれば、輪郭を細い18Kの平板で仕切って描いたエナメル製法のことを指す。
18Kの原板に、ピンセットを使って厚さ0.07mm、幅1mmの金線を、図柄の輪郭に沿って折り曲げていく。
その後、耐熱の膠で金線を固定、さらに840℃の釜で熱処理し接着を強固にする。
金線で仕切られた間にそれぞれの色のエナメル溶液を、ガチョウの羽軸を使って何層にも重ねて塗り込み熱処理を繰り返す。
高温で焼くことによってエナメルの徹粒子が溶け、固まっていく。
そして仕上げには、金線とエナメルの高さを揃えるために、非常にやわらかな布を使って表面を磨くことによって、エナメル独特の深みのある輝きが表れてくるのである。
また、すべての工程には54もの工程と12回の熱処理を行い、100時間以上の時間が費やされている。 |