駆動系
伝達系
等時性と姿勢差
   
   

















伝達系

時計が調子良く動き続けるためには、ゼンマイが発生したエネルギーを無駄なくテンプに送り届ける必要があります。

エネルギー伝達を担っている輪列の回転運動によって、エネルギーを大きく損失してしまってはなりませんし、強弱のムラを生じることがあってはならないのです。
理想的には回転摩擦のない状態で、すべての車が真円を描いて回転し、無理のない動力伝達をすることなのですが、実際にはなかなかうまくいかないことがあります。

たとえば、

・ 注油された油が蒸発してしまっていると、輪列に摩擦が発生し動力の伝達効率が低下します。
・ 車の遊び(あがき)が多すぎたり少なすぎたりすると動力の伝達効率は低下します。
・ 車軸やほぞが曲がっている(偏心)と周期的な回転ムラが発生します。
・ 歯車の歯の一部が変形している(歯ムラ)と、周期的な回転ムラが発生します。
・ ほこりや水分は力の伝達を著しく阻害します。

こういった症状が重なって、テンプに送る力が不安定になっていくのです。

テンプは、輪列からの力が不安定に変化しているので、不安定な振幅運動を強いられ、これはテンプの等時性を狂わせる原因になります。
不幸にして、輪列のエネルギー損失が大きすぎるとテンプを動かすだけのパワーが届かなくなり、「止り」が発生します。


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