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ゼンマイによって作られた勢力は歯車の集まりである「輪列」(りんれつ)に伝えられます。 典型的なウォッチの輪列をみてみると、巻き締められたゼンマイによって香箱が回転をはじめ、その回転力は2番車(にばんぐるま)に伝わります。 そして、4番車の回転力はガンギ車という特殊なカギ型をした歯をもつ車に伝わり、ガンギ車以降、回転力は振幅運動に切り替えられるのですが、このことはまた後ほど詳しく説明します。
車の構成要素 時計学でよく使われる用語は数もさほど多くはなく覚えやすいのでぜひ記憶しておいてください。 歯車 : 車のいちばん外側のギザギザのついた外周の部分 かな : 歯車の内側にあるもうひとつのギザギザ部分 軸 : 車の中心軸である「幹」の部分 ほぞ : 軸の両端に位置する細くなっている部分 ※注 (歯車) ※注 (時計用語) ●車のかみ合い 香箱の歯車は2番車のかな(2番かな)にかみ合っており、2番車の歯車は3番車のかな(3番かな)にかみ合っています。 このようにして各車は回転速度を変えているのです。
●回転速度 ゼンマイからの力が車を介して伝わるごとに、伝えられた車の回転速度は上がっていきます。 一般にゼンマイは24時間で5.5〜6.5回転ほどけますが、その回転は車に伝わり、一般に4番車は1分で1回転します。 ●ほぞ穴 各車の支えはどうなっているかというと、車の軸の一方は「地板」というムーブメントの土台部分、もう一方は「受」という支え板のようなパーツによって挟まれるようにしてセットされています。 車の軸を支えている「ほぞ穴」には一般にドーナツ型の小さい人工ルビーが使われています。 受石の中心部、穴のあいている部分のまわりには「油溜り」という窪みがあり、ここに注油します。
●あがき 受石のセッティング位置は重要な意味をもっています。 あがきが少なすぎると、衝撃などによって地板と受にひずみが生じた時などに車の回転を妨げます。 時計の調子が悪くなる原因はこういうところにもあるのです。 |