手巻きの時計はいつ巻くか?
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手巻き時計の説明書などを読むと、「毎日決められた時間にゼンマイを巻いて下さい」などと書いてあります。
毎日決められた時間に巻くとどういうメリットがあるのでしょうか。

いっぱいまで巻かれたゼンマイは、巻いていないゼンマイに比べて、強い回転力(駆動力)をもっています。
この強い回転力はそのままガンギ車まで伝えられ、テンプを勢い良く振幅させます。
テンプが勢いよく振幅すると、勢いのないときに比べてテンプに及ぼされるさまざまな外的要因の影響を受けにくくなります。

(外的要因:たとえば、摩擦、あるいは時計をつけたまま走るとか、腕を振るという動作によって生じる重力影響のムラなどが挙げられます)

つまり、「テンプが勢い良く振れると時間がよく合う」のです。

しかし、ゼンマイがほどけてきて駆動力がなくなってくると、テンプの振りはどんどん元気がなくなってきます。(テンプ振り角低下)
テンプは勢いを失っているので外的要因の影響を受けやすくなります。
外的要因の影響を受けはじめると、時間は狂いはじめます。

また、ゼンマイの持続時間は一般に約36時間〜48時間です。
いっぱいに巻いても一日過ぎればかなりゼンマイの駆動力は落ちている訳です。

そこでメーカーは「毎日決められた時間にゼンマイを巻いて下さい」とアドバイスするのです。
毎日決められた時間に巻くということは、巻いた時から次に巻く時までの間隔を24時間に一定できるからです。
こうしておけば、ゼンマイの駆動力低下による時間の狂いのばらつきを一定にすることができるからです。

これがもし、巻く間隔が36時間だったり40時間だったりすると、テンプの振りが悪い時間が長くなってしまうので狂いやすくなるのです。

時計の歩度調整についての一例を挙げてみましょう。


同じ時計でも、
・ゼンマイいっぱい巻くと ー2秒の遅れ
・ゼンマイ半分巻くと +1秒の進み
・ゼンマイほとんど巻かないと +8秒の進み

なんてことはよくあることなのです。


以上が「毎日決められた時間にゼンマイを巻いてください」とよく言われる理由です。
これはあくまでも、少しでも時間がよく合う状況を作り出そうという目的のための行為であるので、
「毎日決められた時間に巻かないと時計が壊れる、または機械に悪影響」ということは全くありません。

よく「毎日巻かないと機械に悪い」などと言われますが、別に毎日巻かないからといって機械がダメージを受けるなんてことはありませんので、ご心配なく


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